F1マイアミGP、2041年まで開催延長─経済効果と観客動員の後押しで“最長契約グランプリ”に

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フォーミュラ1(F1)は2025年5月2日、マイアミGPの開催契約を10年間延長し、2041年まで継続開催すると発表した。これにより、マイアミGPは現行カレンダー上で最長の契約期間を持つグランプリとなる。

今回の契約延長は、F1がアメリカ市場における長期的なプレゼンスを確保するための戦略の一環だ。F1のステファノ・ドメニカリCEOは次のように述べた。

「わずか3年で、マイアミGPは我々のカレンダーで最も重要かつ壮観なイベントの一つとして確立された。今回の契約延長は、アメリカにおけるF1の存在感を強化し、情熱的なファンベースとの絆を深める非常に重要な戦略的なマイルストーンだ」

マイアミGPは2022年の初開催以来、アメリカにおけるF1人気拡大の象徴的な存在となっている。F1が北米市場を重視しているのは明白だ。現在、アメリカではマイアミ、オースティン、ラスベガスの3都市でグランプリが開催されており、つい先日は、メキシコシティGPの3年の契約延長が発表されたばかりだ。

特に、Netflixのドキュメンタリーシリーズ『Drive to Survive』の成功や、ブラッド・ピット主演によるF1映画の制作といったメディア露出の増加が、北米におけるF1の人気上昇を後押ししていると見られている。

マイアミGPは初開催からの3年間で、地元経済に10億ドル以上の経済効果をもたらしたと報告されている。 2024年大会では、週末を通じて27万5,000人の観客を動員。F1テレビ視聴数としては、アメリカ国内で過去最高となる310万人が視聴し、F1人気の定着ぶりを示した。

レース主催者のサウスフロリダ・モータースポーツは、インターンシッププログラムの設立、地元の慈善団体との連携、地域企業の支援など、地元社会との関係を重視した活動を展開している。これらの取り組みが評価され、2024年にはF1の「プロモーター・オブ・ザ・イヤー」に選出された。

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