
ピアストリ、4番手を自省「単に実行力が足りなかった」再び露呈したマクラーレンの弱点
ドライバーズ選手権をリードするオスカー・ピアストリ(マクラーレン)は、2025年F1第6戦マイアミGPの予選でポール争いに絡みながらも、最終的に4番手にとどまった。その原因について「単純に自分の実行力が足りなかった」と自らのミスを認めた。
自責の念に駆られるピアストリ
ピアストリは、Q3の最初のアタックで好タイムを記録しながらも、2回目のアタックでは改善できず、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)にポールを奪われたばかりか、僚友ランド・ノリス、アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)にも先行を許し、2列目からのスタートとなった。
直前のスプリントでは、不運なタイミングで発生したフェルナンド・アロンソとリアム・ローソンのクラッシュにより優勝のチャンスを逃したピアストリだが、予選に関しては「運とかじゃなく、単に自分の走りの質が足りなかっただけ」と、自らのパフォーマンス不足を冷静に受け止めた。
「Q3の最終ラップでタイムを改善できない予選は決して良いとは言えないね。Q2では2ラップとも幾つかミスをしてしまい、それがタイムに響いてしまった。残念だよ」とピアストリは振り返る。
特に苦戦したのはターン1だったとし、「2ラップとも、あそこで0.2秒くらいロスしていたと思う」と分析。「Q3の最初のアタックでは、セクター1の残りで多少は取り戻せたけど、ミドルセクターでまたタイムを落としてしまった。最終ラップでは終盤に少し取り返せたけど、それでも不十分だった」と悔しさをにじませた。
ラップ終盤のタイヤのオーバーヒートを防ぐため、プレップラップ(準備周回)のペースを調整するなど、タイヤマネジメントに注力するライバルもあったが、ピアストリは「準備ラップの問題とかじゃなく、単純に、求められるレベルの走りができなかったことが原因だ」と強調した。
露呈した限界領域での課題
マクラーレンは今季これまでの5戦で4勝を上げており、「最速のマシン」との評価を得ているが、予選パフォーマンスに関してはシーズン序盤から一貫して課題となっており、今回もまたフェルスタッペンにポールを奪われたことで、その傾向が続いていることが浮き彫りとなった。
フェルスタッペンは現時点で今季1勝にとどまっているが、予選では6戦で3度のポールポジションを獲得している。
ピアストリは、「僕らのマシンには、まだ対処しなきゃならない点がいくつか残っている。そのひとつは、限界までプッシュしたときに現れる課題だ」とした上で、「ミスをすれば負ける立場にあると認識してるし、今回もそれが当てはまったってことだよ」と冷静に現状を分析した。
また、「今週末はポールを狙えるだけのペースがあったと思う。でも、残念ながら自分がやるべきことをやり切れなかった」と、重ねて自省の言葉を口にした。
チーム代表のアンドレア・ステラも、MCL39の予選パフォーマンスに関して課題があることを認めている。「限界で攻めたときに最も扱いやすいクルマというわけではない」とした上で、「特に予選のように新品タイヤで限界を攻める状況では、フロントの挙動をもう少し予測しやすくする必要がある」と課題を明示した。
レースへの手応えと慎重な展望
日曜日の決勝レースに向けては、優れたタイヤマネジメント性能がマクラーレンの追い風となる可能性があるものの、ピアストリは慎重姿勢を崩さない。
「昨年と比べてタイヤの挙動は改善されているし、気温が高ければ僕らにとって有利に働くかもしれない」「クルマには自信を持っているし、予選よりも決勝の方が優位性があるかもしれない」とする一方、「予選結果はレース展開に大きく影響するだろうし、ポジションを上げるのは楽じゃないだろうね」とピアストリは語った。
2025年F1マイアミGP予選では、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がポールポジションを獲得。2番手はランド・ノリス(マクラーレン)、3番手はアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)という結果となった。
決勝レースは日本時間5月4日(日)29時にフォーメーションラップが開始され、1周5,412mのマイアミ・インターナショナル・オートドロームを57周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。