口を揃えて「厳しい戦いになる」劣勢を予想するマクラーレン・ホンダ首脳陣 / F1メキシコGP《preview》

長谷川祐介とエリック・ブーリエcopyright HONDA

マクラーレン・ホンダの首脳陣はF1メキシコGPでの劣勢を予想している。ホンダF1率いる長谷川祐介も、チーム代表のエリック・ブーリエも口を揃えて「厳しい戦いになる」との見解を示した。

エルマノス・ロドリゲス・サーキットは海抜2000mを超える高地にある。燃料の燃焼に不可欠な空気が極端に薄いためセッティングが難しく、またターボチャージャーにかなりの負担を強いる。

1kmにも渡るホームストレートでは時速360kmを超える速度が要求されるため、エンジンパワーも重要なカギを握る。出力と信頼性の双方に不安を抱えるマクラーレン・ホンダにとって、メキシコは得意とは言えないコースだ。

マクラーレン・ホンダ:F1メキシコGPへの抱負

長谷川 祐介ホンダF1プロジェクト総責任者

アメリカGPは残念な結果に終わってしまいましたが、我々は国境を越えメキシコに向かいます。まずは今回のメキシコ地震によって被災された方々に哀悼の意を表するとともに心からお見舞い申し上げたいと思います。

メキシコGPは、F1カレンダーに復活して3年目を迎える事になります。メキシコのファンはいつも熱狂的です。ラテン独特の陽気な雰囲気の中でのレースを楽しみにしています。それに、ホンダの仲間であるHonda de Mexicoの心温かいサポートにも、いつも勇気づけられています。

舞台となるエルマノス・ロドリゲス・サーキットは標高約2300mの高地にあり空気が薄い事で知られています。そのため、エンジンからパワーを引き出す上で独特のセッティングが必要となります。この点が他のサーキットとは大きく異なります。

ロングストレートを考慮したエンジンマネジメントが必要となりますので、我々にとっては非常に厳しい戦いになると予想しています。ただ、その条件はライバルチームも同じです。この難しい状況下で最大限の力を引き出すべく、昨シーズンまでの2年で得たデータを活用しながらマクラーレンと共に戦略を立てていくつもりです。

エリック・ブーリエレーシングディレクター

個人及びチーム全員を代表して、メキシコで起きた先月の大地震で被災した何百人もの方々へお見舞い申し上げます。メキシコシティがカレンダーに復活する否や、我々はすぐにこの街が好きになりました。毎年メキシコを訪れる度に暖かい歓迎を受けておりますので、今週末は我々の方が被災者の方々へのサポートと連帯感を示したいと思っています。信じがたい早さで進んでいる復興にスポットライトが当たる機会になればうれしいです。

勝利を約束することはできませんが、オースティン同様に困難な状況であっても全力を尽くして戦うつもりです。アメリカGPで発生したパワーユニットのトラブルのために、フェルナンドはペナルティーを受ける可能性があります。ですが、例えグリッド後方からのスタートであっても、彼のファイティングスピリットが消えることは決してありません。

ストフェルにとっては初めてのサーキットとなります。彼にも何が起こるか分かりませんが、最高のチャンスを与えられるように取り組んでいきたいと思っています。

高温多湿かつ高い標高がエンジンの冷却と出力に影響を与えるため、メキシコシティでのレースはどのチームにとっても難しいコンディションとなります。過去2年間のレース経験によって多くコース特性を学んできましたので、それらの教訓とデータを良い方向に活かしていきたいと思っています。タイトル争いで大幅にポジションを上げられるとは考えていませんが、あきらめる事なく最善を尽くし、この厳しい2連戦を締めくくりたいと考えています。


2017年F1第18戦メキシコGPの舞台はエルマノス・ロドリゲス・サーキット、日本時間10月28日(土)深夜0時からのフリー走行で幕を開ける。

F1メキシコGP特集

この記事をシェアする

モバイルバージョンを終了