ローソン進撃の中でペレス、地元初のQ1敗退「よりにもよって…」新型フロアなくブレーキの課題も解決できず
後任候補のリアム・ローソンが再び輝きを放つ中、地元開催となるF1メキシコGP予選でのQ1敗退の原因についてセルジオ・ペレス(レッドブル)は、ブレーキに深刻な課題を抱えていたと説明した。
ペレスは土曜のグリッド争いで18番手に終わった。2021年のレッドブル移籍以来、地元レースでトップ5圏外に留まったのは今回が初めてであり、エルマノス・ロドリゲス・サーキットでQ1敗退を喫したのも今回が初めてだった。
前戦アメリカGPに続き、ペレスには今回もアップグレード版のフロアが用意されていないが、それがQ1敗退の主因とは言い難い。実際、チームメイトのマックス・フェルスタッペンはコンマ8秒速いタイムでQ2に駒を進めた。
敗因についてペレスは、データに表れている通り、ここ3戦に渡って「ブレーキングで攻めようとするたびに、タイヤにエネルギーがかかり過ぎてしまい、マシンを止めるのがかなり難しい状況だ」と説明し、今もそれを解決できていないと続けた。
「主な問題は、ストレート上のブレーキングゾーンでクルマを止めることができない点にある。兎に角、スライドが酷い。路面の感度が鍵を握るこのサーキットでは特に厳しい」
また、地元ファンの声援に応えられなかったことについては「よりによって、最悪の場所でこういうことが起きてしまった。心底、ガッカリしている」と語った。
オースティンでも、そういった兆候があったが、低グリップと低速の90度コーナーを特徴とするメキシコシティのサーキットは、ペレスの課題をさらに露呈した格好だ。ブレーキングに自信が持てないが故にコーナーを攻めることができず、進入と脱出の際にタイムを失った。
ペレスが苦戦する一方、2025年の昇格候補であるローソンは再び印象的な速さを見せた。
COTAに続きエルマノス・ロドリゲスもまた、ローソンにとって初のサーキットだが、旧型フロアを使いながらも角田裕毅と遜色ないスピードを発揮し続け、チームメイトに0.033秒と迫る12番グリッドを持ち帰った。
同じく昇格候補の角田裕毅は、プラクティスを通してトップ7をキープするも、予選ではこれを結果に変えることができず、Q2の最終ラップでクラッシュを喫した。この事故に伴い振られた赤旗により、RBはダブルQ3進出のチャンスを逃した。
ペレスは、5月のエミリア・ロマーニャGP以降の12戦で、わずか47ポイントしか獲得しておらず、4月の中国GPで3位表彰台に上がったのを最後に、最高位は6位に留まっている。
ブレーキの問題は燃料を積んでクルマの重量が増えてなお、生じているとして、ペレスは日曜のレースに向けて悲観的な展望を示した。
「ロングランでも同様の問題が発生するから、レースも厳しいものになると思う。チームと一緒に解決策を探るつもりだ」とペレスは語り、「ここでは良い成績を残したいけれど、難しく厄介な状況だ」と続けた。
また、「使えるパーツが限られているし、求めているスペックのフロアもないけど、チームと話し合ってみるつもりだ」と述べ、セットアップを変更してピットレーンからスタートする可能性に言及した。
2024年F1メキシコGP予選ではカルロス・サインツ(フェラーリ)がポールポジションを獲得。2番手にマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、3番手にランド・ノリス(マクラーレン)が続く結果となった。
決勝は日本時間10月27日(日)29時にフォーメーションラップが開始され、1周4,304mのエルマノス・ロドリゲス・サーキットを71周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。