メルセデスF1のW14「想像していた以上に酷くて嫌なヤツ」とトト・ウォルフ代表
ルイス・ハミルトンがQ2敗退を喫した6日(土)のF1マイアミGP予選を経てチーム代表のトト・ウォルフは、ゼロポッド哲学を貫いた今季W14は扱いにくいという点で「嫌なヤツ」であり、「想像していた以上に酷い」と嘆いた。
マイアミ・インターナショナル・オートドロームで行われた予選では、オープニング・セッションで1-2を築きながらもジョージ・ラッセルは6番手、ハミルトンは13位と、散々な結果に終わった。
メルセデスはグランドエフェクトカー導入初年度の昨年、サイドポッドを最小化した独自のエアロコンセプトを採用した。結果、苦戦を強いられたにも関わらず、2023年型「W14」でもこれを貫いた。
開幕4戦を見る限り、この決断が誤りであった事は明白で、支配的なパフォーマンスを備えるレッドブルRB19はおろか、アストンマーチンの後塵を拝する展開が続いている。
2年近く追求してきたコンセプトながらも、メルセデスは問題の所在が未だに掴めていないようで、ESPNによるとウォルフは「クルマに対する理解は欠如しており、根本的に基本的なパフォーマンスが備わっているのかなど、全般に渡って指摘することさえできない」と語った。
「パフォーマンスは兎に角、悪いとしか言いようがない」
「私が想像していた以上に酷い。前回のマイアミから12ヶ月を経て、クルマは僅かに良くなっているだけだ。昨年よりマシなのはストレートでのバウンシングがない事だけだ」
「クルマには十分な速さがない。その理由も理解できていない。あるセッションでは1番手と2番手なのに、次のセッションでは6番手と13番手なんて、受け入れられるものではない」
悪い事は重なるもので、ハミルトンは予選Q2の最後のフライングラップの際、誤ったタイミングでコースへと送り出された結果、トラフィックのためにタイヤの熱を失い、チームに対して批判的な言葉を口にした。
ウォルフは「ただでさえクルマの速さが十分でないのに、アウトラップでタイヤを準備できないような状況にドライバーを追い込んだ事で事態は更に悪化した」と振り返る。
「意図的にミスを犯す者はいない。ベストなポジションを与えようと努力している。これまでも何度も誤ってきたが、同時に何度も正しいポジションを与えてきた」
メルセデスはイモラでの次戦エミリア・ロマーニャGPに向けて、新型のフロントサスペンションやサイドポッドなど、W14に大掛かりなアップグレードを投入する計画だが、これらはドライバビリティの改善を主眼に置いたものであり、過度な期待は禁物だとウォルフは警告した。