ハミルトンのメルセデスF1離脱、容認する用意はあるとウォルフ
タイトル争い復帰の野望を胸に臨んだバーレーンでの初戦でトップ3からの陥落を突きつけられたメルセデスのトト・ウォルフ代表は、低迷する現状の打開を約束できない場合、ルイス・ハミルトンがチームを去る決断を下しても文句は言わないと語った。
V6時代の絶対王者としての立場は完全に失われた。今やメルセデスはカスタマーチームのアストンマーチンの後塵を拝するまでに後退しており、少なくとも向こう2年は不本意なシーズンとなる事が濃厚に見える。
メルセデス在籍中に6回のワールドチャンピオンを勝ち取ってきた38歳のイギリス人ドライバーとチームとの契約は今年いっぱいで満了を迎える。
遅々として契約更新が発表されない事からパドックでは様々な噂が飛び交っているが、ウォルフはF1サウジアラビアGPの初日、「絶対的な自信がある」と述べ、ハミルトンの残留を疑っていないと主張した。
「彼とはこれまでのキャリアを通して信頼を築き上げてきたし、お互いの間に素晴らしい絆が形成されている。例えこれが難しい休息であっても、お互いを疑う理由は何処にもない」
とは言え、8度目のタイトル獲得を目指す以上、ハミルトンは勝てるチームのシートに座らなければならない。
ライバルチームとの接触を懸念していないのか?と問われたウォルフは、ドライバーが更なる勝ち星を増やすためには勝てるだけの「クルマを確実に手に入れなければならない」と認め、次のように続けた。
「もし我々が今後2、3年の間に彼にクルマを与えることができるということを証明できなければ、彼はあらゆるところに目を向ける必要がある」
「現時点で彼がそうしているとは思っていないが、もし1年や2年後にそうなったとしても愚痴をこぼすつもりはない」
ウォルフはまた、メルセデスが今季型「W14」の設計において誤った決断を下した事を改めて認めつつ、それでも競争力を維持できると信じてシーズンに臨んだと説明した。
「上手く機能させようと懸命に努力してきたと思う。データ上ではそう示されていたからだ」
「ただ、最速の3台(レッドブル、フェラーリ、アストンマーチン)は、パフォーマンスを生み出す方法に関して同じようなコンセプトを採用しており、我々のそれとは全く異なっている」
「ある段階で我々は、これは間違っている、という結論に至った。単純に誤ってしまったんだ」
「自分たちが何をしたのか、なぜパフォーマンスを発揮できない場所にいるのか、はっきりと理解している。だが、科学的な側面からそれを理解することはまだできていない」
「パフォーマンスを取り戻す方法を見つけるのは時として難しい。だがプレシーズンテストを経た事で、理解という点では大きな一歩を踏み出すことができた」