
ただし対象車は一部のみ。メルセデス、F1オーストリアGPで待望の新仕様バッテリー投入へ
メルセデスは2026年F1第8戦オーストリアGPで、信頼性を改善した新仕様のバッテリーを投入する。これはワークスチームだけでなく、カスタマーチームにも用意されているが、年間割り当て制限の観点から、一部のドライバーは旧仕様のまま今週末に臨む状況とみられる。
メルセデス陣営はシーズン序盤を通して、バッテリーの信頼性不足に苦しんできた。今季はバッテリー関連のトラブルによって、ワークスだけでなく、カスタマーのマクラーレンやウィリアムズも大量のポイントを失う事態が続いている。
ワークスチームでは、カナダGPで首位を走行していたジョージ・ラッセルがトラブルで勝利を逃し、前戦バルセロナ・カタロニアGPでは、2番手を走行していたアンドレア・キミ・アントネッリがリタイアを強いられた。
Courtesy Of Mercedes-Benz Grand Prix Ltd.
リタイア後に険しい表情でピットレーンを歩くジョージ・ラッセル(メルセデス)、2026年5月24日(日) F1カナダGP決勝(ジル・ビルヌーブ・サーキット)
新仕様は一部ドライバーのみ投入
イギリスの専門メディア『The Race』によると、新仕様のバッテリーはレッドブル・リンクに持ち込まれているものの、メルセデス製パワーユニットを搭載する全車が一律に交換するわけではない。
マクラーレンではオスカー・ピアストリのみが新仕様に交換する一方、ランド・ノリスは旧スペックを継続する見通しだという。
ノリスはすでに年間の割り当て上限となる3基目のバッテリーを使用しているため、追加交換と同時にグリッド降格ペナルティを受けることになる。
同様に、ウィリアムズではカルロス・サインツのみが新仕様を使用し、ノリスと同じく3基目を使用中のアレックス・アルボンは旧仕様を継続するとみられている。
一方、アルピーヌ勢は、ピエール・ガスリー、フランコ・コラピントの両者がそろって新仕様へ切り替える見込みとされる。
目的は性能ではなく信頼性向上
今回の新スペックについてアントネッリは、性能向上を狙ったものではなく、耐久性と信頼性を改善したものだと説明する。
「必ずしも温度に関連した問題だとは思っていないけど、今週末は、耐久性と信頼性を向上させるアップデートが施された新しいスペックを用意している」
「これはパフォーマンス向上を目的としたものじゃない。こうした問題を二度と起こさないようにすることが目的だ」
今季のメルセデスは、どのPUメーカーよりも信頼性トラブルによるポイント喪失が多い。今回の改良版が期待どおり機能すれば、シーズン後半に向けたタイトル争いで弾みをつけることとなる。
ただし今週末はヒートハザードが宣言されるなど、バッテリーにとっても過酷なコンディションが予想されている。