F1マシンの車体に描かれた様々なアルファベットのマークの意味

F1マシンの車体に書かれた文字の意味copyright mercedesamgf1.com

F1マシンの外装に「E」とか「N」といったアルファベットがプリントされているのが気になったことはないだろうか?これらのマークに光が当たることはあまりないため、その意味を調べてみようと思う方は多くはないだろうし、レースそのものの行方を左右するようなものでもないため、報道されることもない。

実はこの2つのマークは”安全上の理由”によって、レギュレーションで規定されているものである。

“E”マークの意味


©Formula1-data.com / 消火装置スイッチの位置を示す"E"のマーク

F1マシンには、万が一火災が起こった場合に備えてコックピットとエンジンルームに消火装置を取り付けることが定められている。これらの消火装置をはドライバーがシートベルトを装着した状態で操作でき、なおかつマシンの主要電気回路が故障した場合や、車が転倒した場合でも機能しなくてはならないとされている。

コックピット後部に印字されている”E”マークは、マシンの外からこの消火装置=Fire Extinguisherを起動させるためのスイッチとなっている。このスイッチを押すと、消火装置が作動し車体の全ての電気回路が遮断される。エンジンは電気機器であるECUによってコントロールされているためエンジンも停止する。なお、このEマークの表記は、白い丸の中に赤い文字「E」で記すこととされており、どんな色で描いても良いわけではない。

“N”マークの意味

Rマーク同様にNマークもまた安全上の理由によって表示が義務付けられている。規定では「マシンにはコックピットの外側から操作可能なクラッチ解除の手段を設けなければならない。この装置は、コックピットの開口部のすぐ前にあり、白い丸の中に赤い文字”N”で車のボディにマークされるものとする」とされており、何らかのアクシデントやトラブルによってマシンが停止してしまった場合に、コース上のマーシャルがマシンを撤去できるようにこのような決まりが定められている。

2017年のF1バーレーンGP2回目のフリー走行では、マシンの電源が完全にシャットダウンしてしまったセバスチャン・ベッテルが、コックピットから身を乗り出しこのNマークを押す様子が国際映像で流れていた。

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