
マクラーレン、2025年シーズン限りでのフォーミュラE撤退を正式発表
マクラーレン・レーシングは2025年4月25日、2024-25年シーズン終了後にフォーミュラEから撤退することを正式に発表した。この決定は、同社のモータースポーツ活動全体の戦略的見直しの一環として下されたものであり、すでに発表されている2027年からのFIA世界耐久選手権(WEC)ハイパーカークラス参戦プロジェクトに注力する方針を示した。
マクラーレンのフォーミュラEチームは、2022年にメルセデスEQチームの体制を引き継ぎ、サウジアラビアの未来都市プロジェクト「NEOM」とのタイトルパートナーシップのもとで活動を開始した。NEOMとの契約は2026年末まで継続される見通しであり、チームの財政的基盤は当面維持されるとみられる。
一方、マクラーレンが2025年シーズン終了後に撤退するため、チームは新たな名称と体制での活動継続を模索する必要がある。チーム代表のイアン・ジェームズは、すでに新たな投資家やパートナーとの交渉を進めており、Gen4時代に向けた再編を視野に入れている。
NEOMマクラーレン・フォーミュラEチームは、初参戦の2022-23年シーズンで8位、翌シーズンには7位と着実に成績を向上させ、2024-25年シーズンでは第5戦終了時点でマニュファクチャラーズランキング3位につけている。特にルーキーのテイラー・バーナードは、1回のポールポジションと3回の表彰台を獲得し、ドライバーズランキングでも3位と同一ポイントの4位と健闘している。
それにもかかわらず、マクラーレンはフォーミュラEからの撤退を決断した。CEOのザク・ブラウンは、「フォーミュラEでの成果を誇りに思うが、今こそマクラーレン・レーシングの全体的な戦略に、より密接に合致する新たな機会を探る時だ」と述べ、WECを含む他の将来的な計画に注力する方針を示した。
マクラーレンの撤退にもかかわらず、チーム自体はNEOMの支援のもとで活動を継続する可能性が高い。フォーミュラEの広報担当者は、「チームはすでに新たなパートナーや投資家との前向きな議論を進めており、新たなアイデンティティのもとで強力な存在感を維持することを確信している」とコメントしている。