
マクラーレン、WEC復帰を宣言「We’re back」ハイパーカーで2027年参戦へ
マクラーレンは2025年4月10日、2027年シーズンよりFIA世界耐久選手権(WEC)のハイパーカークラスに正式参戦することを発表した。英国の名門は、プロトタイプのシルエットとともに「We’re back(戻ってきた)」のメッセージを添えたティーザー画像を公開。トップカテゴリーへの復帰を高らかに宣言した。
これにより、WECハイパーカークラスのグリッドには11の自動車メーカーが並ぶことになる。今季参戦中のトヨタ、フェラーリ、ポルシェを含む8メーカーに加え、2026年にはヒュンダイ傘下の「ジェネシス」が、そして2027年にはフォードとマクラーレンが加わる予定だ。
マクラーレンが耐久レースの頂点に立ったのは1990年代に遡る。1995年のル・マン24時間レースでは、伝説的なマクラーレンF1 GTRを駆り、JJ・レート、ヤニック・ダルマス、関谷正徳のドライバー陣が総合優勝を達成。その偉業から30周年となる節目の年に、今回の復帰発表が行われた。
LMDh規定での開発か?
マクラーレンは現時点で詳細な技術仕様を明かしていないが、複数の報道によると、LMDh(ル・マン・デイトナ・ハイブリッド)規定に則ったプロトタイプを開発する見通しだ。
キャデラックVシリーズ.RやBMW MハイブリッドV8同様、シャシーはイタリアのダラーラと共同開発され、パワーユニットは「McLaren Artura」に搭載されている120度V型6気筒ツインターボエンジンをベースに開発が行われると見られている。
LMDhを選択した場合、マクラーレンはポルシェ、BMW、キャデラック、アルピーヌらと同じ陣営に加わることになり、LMH(ル・マン・ハイパーカー)規定のフェラーリやトヨタとは異なる立ち位置を取ることになる。
チーム体制は?
マクラーレンは現在、720S Evo GT3でWECのLMGT3クラスに参戦している。このプログラムは、マクラーレンCEOのザク・ブラウンと元レーサーのリチャード・ディーンが共同オーナーを務めるユナイテッド・オートスポーツが運営している。
ただし、ハイパーカープログラムにおいても同チームが運営を担うかどうかは現段階で不明であり、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権との並行参戦についても不透明なままだ。IMSAはWECとLMDh規定を共有しており、両シリーズを掛け持つ体制を採るメーカーも少なくない。