
マクラーレンF1、レッドブルの「新エンジン交換」をFIAに照会―コストキャップ巡る新たな火種か
2025年F1第21戦サンパウロGPを終え、タイトル争いがコース上の戦いからレギュレーション解釈の領域へと飛び火した。
予選惨敗後、マックス・フェルスタッペンのマシンに新品のパワーユニット(PU)一式を投入したレッドブルの戦略について、マクラーレンは「パフォーマンス向上目的ならコストキャップに計上されるべき」であるとして、国際自動車連盟(FIA)に説明を求めている。
パフォーマンス向上を目的にPUを刷新
2006年の日本GP以来となるダブルQ1敗退という屈辱を経て、レッドブルは決勝に向けてフェルスタッペンのマシンのセットアップを大幅に変更。さらに、ホンダ製PU一式を刷新した。
1号車RB21には、今季5基目となるICE(内燃エンジン)、ターボチャージャー、MGU-H/K、そして3基目のES(バッテリー)およびCE(コントロール・エレクトロニクス)が新たに搭載された。いずれも年間の割り当て上限を超えるものだ。
パルクフェルメ下でのこの決断により、フェルスタッペンはピットレーンスタートを強いられたが、決勝では驚異的な追い上げを見せ、3位表彰台を獲得する離れ業をやってのけた。
今回の新エンジン投入について、チーム代表のローラン・メキーズは、「具体的な数字を示すのは難しい」としつつも、パフォーマンス向上を目的とした対応であることを認めた。シーズン後半は交換なしで乗り切る計画だったが、パルクフェルメ下でのセットアップ変更を決断したため、この機会を活用したという。
マクラーレン「パフォーマンス目的ならコスト計上を」
このレッドブルの戦略に対し、タイトル争いのライバルであるマクラーレンのチーム代表、アンドレア・ステラが疑問を呈した。
イギリスの専門メディア『The Race』によると、ステラは現行のメルセデス製PUについては「走行距離による性能劣化は限定的」との見解を示す一方、「ホンダがどうかは分からない」とし、「こうしたPU交換は規則の解釈を揺るがすものだ」と主張した。
さらに、「もしパフォーマンス目的の交換であれば、本来はコストキャップの対象になるはずだ」と強調し、FIAに確認を求める意向を明らかにした。
財務規則上、年間割り当て上限を超えたPUコンポーネントの投入に関する明確な記載はない。「パフォーマンス向上」か「信頼性懸念」かという目的の違いによって、コストキャップに含めるかどうかの判断が分かれるとの内容は、FIAとチーム間で共有される非公開のガイドラインに存在するとされる。
ステラは、マクラーレンが同様の戦略を取らない理由について「コストキャップの対象になるためだ」と説明した。
残り3戦、タイトル争いはコース上だけでなく、レギュレーション解釈の領域でも繰り広げられることになりそうだ。