
あれ以上どこへ行けと? ピアストリが”裁定に反発”する根拠とは―ペナで表彰台を逃し、タイトル争い黄色信号
チームメイトのランド・ノリスが優勝を飾る中、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)はレース序盤の接触で10秒ペナルティを科され、表彰台争いから脱落。5位に沈んだ2025年F1第21戦サンパウロGP決勝を振り返り、スチュワードの決定に対して強い不満を表明した。
突入の代償、重すぎた10秒ペナルティ
問題のシーンはレース序盤、セーフティーカー(SC)明けのリスタート直後のターン1で発生した。
ピアストリはアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)をイン側から追い抜こうと試みるが、左フロントがアントネッリの右リアと接触。衝撃で弾き飛ばされたアントネッリは、さらにアウト側にいたシャルル・ルクレール(フェラーリ)と二次接触し、ルクレールはリタイアに追い込まれた。
スチュワードはこのインシデントについてピアストリに「全責任」があるとし、10秒ペナルティと2点のペナルティポイントを科した。その根拠とされたのは、杓子定規的な解釈をめぐってたびたび物議を醸している「ドライビング標準ガイドライン」だった。
この裁定によりピアストリは、優勝したノリスから15.749秒遅れの5位フィニッシュにとどまった。
Edge-of-the-seat action at the restart! 🤯#F1 #BrazilGP pic.twitter.com/MWBDDhog5t
— Formula 1 (@F1) November 9, 2025
「あれだけ並んで引くことはできない」
ピアストリはレース後、スチュワードの判断に真っ向から反論した。
「イン側にチャンスがあったのは明らかだった。だから狙ったんだ。アウト側の2台はかなりブレーキングが遅かった。確かに少しロックアップしたけど、それはキミがスペースを空けてくれなかったからだ。あれ以上、イン側には行けなかったし、あの場から消えることもできない」
「どう見ても、僕がどこに行けばよかったのか分からない」とピアストリは続ける。
「あれだけ良い形でターン1に踏み込んで、完全に並んでいる状態なのに、ただ手を引くなんてことはできない」
「もっと深くまで突っ込もうとしていたのなら、無謀だったと言えるけど、僕は然るべき場所にとどまった。もし僕が明らかにアンダーステアを抱えて、エイペックスを外してキミに当たったなら、理解できる。でも実際には、可能な限りイン側にいた。だから(受け入れるのが)難しいんだ」
Courtesy Of Ferrari S.p.A.
インテルラゴス・サーキットのターン1で接触するオスカー・ピアストリ(マクラーレン)とアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)そして巻き込まれたシャルル・ルクレール(フェラーリ)、2025年11月9日(日) F1サンパウロGP決勝(インテルラゴス・サーキット)
ピアストリは「決定は決定だ」として受け入れつつも、「もう一度やり直せるとしても同じ動きをしたと思う」と、自身の判断に誤りはなかったとの考えを強調した。
興味深いことに、この連鎖的接触の最大の被害者であるルクレールもまた、スチュワードの判断に異議を唱えている。
広がるノリスとの差「速さの片鱗は見えている」
スプリントでは、ノリスが縁石から跳ね上げた水しぶきの影響でクラッシュし、決勝では「レーシングアクシデントとして処理すべき」との声も上がる接触でペナルティを科され、表彰台を逃した。この結果、シーズン3戦、1スプリントを残して、選手権首位のチームメイト、ノリスとの差は24ポイントまで拡大した。
「簡単な週末じゃなかったのは確かだ」とピアストリは週末全体を振り返る。
「フリー走行はかなり順調だったんだ。でも週末が進むにつれて少しずつペースが落ちていった。チームとしても金曜ほどの強さは維持できなかったし、クルマの方向性も僕の好みから外れていってしまった」
「それでもクルマを良い状態に持っていこうと最善を尽くした。でも、スプリントのクラッシュもあって難しかった」
「今はうまくいかないことが多いけど、速さの片鱗は見えているし、それを常に発揮できるようにしていきたい」
2025年F1第21戦サンパウロGPでは、ランド・ノリス(マクラーレン)がポール・トゥ・ウインを達成。2位にアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)、3位にピットレーンスタートのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が食い込む結果となった。
ラスベガス市街地コースを舞台とする次戦ラスベガスGPは、11月21日(金)のフリー走行1で幕を開ける。