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マクラーレン 2020年F1マシン「MCL35」主要諸元:シャシー及びパワーユニットの仕様

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マクラーレン・レーシングが2020年のF1世界選手権参戦用に開発したフォーミュラ1マシン「MCL35」の技術諸元が2月13日に発表された。昨年型と比較した際の主な変更点は以下の通り。

  • 規約変更に伴い車重(ドライバー含め燃料含まず)が743kgから746kgへ増加
  • 音響パートナー未発表(昨年はKenwood)
  • カルソニックカンセイの社名変更に伴い、冷却システムがマレリ製に
  • MGU-Hの最大回転数が「100,000rpm以上」から「125,000rpm以上」に

エンジンとERSを含めたパワーユニットは、2020仕様の最新版ルノー「E-Tech 20」を搭載する。MGU-Hの最大回転数に関しては、供給元のルノーの発表では「100,000rpm以上」とされている。ロジスティクスはボルボトラックが担当する。

「MCL35」技術諸元・スペック

シャシー

従来の製造方法に加えて、ストラタシス社の3Dプリント及び、ヤマザキマザック社の高度金属積層造形といった最先端工法を利用している。

型式 MCL35
モノコック C/Cコンポジット材
ボディーワーク C/Cコンポジット材
安全構造 耐衝撃構造および耐貫通パネルを組み込んだコックピットサバイバルセル、フロントインパクト構造、サイドインパクト構造、一体型のリアインパクト構造、フロントおよびリアのロール構造、ヘイロー
フロントサスペンション カーボンファイバー製プッシュロッド式ダブルウィッシュボーン
スプリング及びダンパーはインボードマウント
リアサスペンション カーボンファイバー製プルロッド式ダブルウィッシュボーン
スプリング及びダンパーはインボードマウント
タイヤ ピレリ P Zero
ホイール エンケイ
ブレーキ 曙ブレーキ工業製
ブレーキキャリパー&マスターシリンダー、カーボンファイバー製ディスクブレーキ&パッド、ブレーキ・バイ・ワイヤ(BBW)システム
電気系 マクラーレン・アプライド・テクノロジーズ(MAT)製
シャシー及びPU制御装置、データ収集機器、センサー類、データ解析及びテレメトリー・システム
冷却系 マレリ(旧カルソニックカンセイ)製
インタークーラー、エンジンオイル及びERS冷却システム
ステアリング パワーアシスト式ラック・アンド・ピニオン
塗装 アクゾノーベル社のシッケンズ製品を使用
計器類 MAT製ダッシュボード
全幅 非公表
全高 非公表
全高 非公表
フロントトレッド 非公表
リアトレッド 非公表
重量 746 kg(燃料除、ドライバー含)
前後重量配分 45.4%から46.4%の間

トランスミッション

ギアボックス C/Cコンポジット材縦置きケース
ギアレシオ 前8速、後1速
変速 電動油圧式シームレス・シフト
ディファレンシャル 遊星歯車式多板クラッチ式LSD
クラッチ 電動油圧式カーボンファイバー材多板クラッチ

エンジン

型式 Renault E-Tech 20
排気量 1600cc
シリンダー V型6気筒 / 90度
バルブ数 24
ボア径 80mm
ストローク 53mm
クランク高 90mm
過給 シングルターボ、過給圧無制限(5bar abs)
最高回転数 15,000rpm(ICE、レギュレーション規定)
最大燃料流量 100 kg/h
燃料タンク容量 110 kg
燃料噴射 直噴
重量 145kg(既定最低重量、ERS含む)
馬力 950馬力以上(ERS含む)

ERS エネルギー回生システム

バッテリー(ES) リチウムイオンバッテリー(20-25kg)
バッテリー(ES)最大貯蔵量 4 MJ/周
MGU-K 最大出力 120 kW
MGU-K 最大回転数 50,000 rpm
MGU-K 最大回生量 2 MJ/周
MGU-K 最大放出生量 4 MJ/周
MGU-H 最大回転数 125,000 rpm以上