スパ・フランコルシャンのパルクフェルメで話す予選最速のマックス・フェルスタッペンと3番手のセルジオ・ペレス(ともにレッドブル・レーシング)、2024年7月27日(土) F1ベルギーGP
Courtesy Of Red Bull Content Pool

ペレス続投は”他の選択肢”を考慮してなお「最善策」とマルコ、リバティメディアの介入影響を否定

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セルジオ・ペレスの続投についてレッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、あらゆる選択肢の中で「最善の策」であったと主張し、F1の商業権を持つ米リバティ・メディア社の介入が決定に影響を与えたとの憶測を否定した。

コンストラクターズ選手権争いにおけるマクラーレンの猛追を受けパドックでは、サマーブレイク中にペレスが解雇されるとの見方が広がり、RBの角田裕毅やダニエル・リカルド、リザーブ・ドライバーのリアム・ローソンが後任候補として取り沙汰された。

しかしながらベルギーGPの翌日に行われた会議の中でクリスチャン・ホーナー代表とマルコを含むレッドブルの首脳陣は、シーズン後半戦も引き続き、ペレスにマックス・フェルスタッペンのチームメイト役を担わせることを決定した。

ペレス続投の背景には、スポンサーシップや全体の約6割を占めるグッズ販売など、ペレスがチームにもたらしている経済的要因が指摘されているが、一部報道によると、10月下旬に予定されているメキシコGPの収益への影響懸念からリバティ・メディアがペレスの解雇を再考するようレッドブルに求めたともされる。

しかしながらマルコは墺SPEEDWEEKに寄せたコラムの中で、介入の事実は明らかにしなかったものの、決定におけるリバティ・メディアの影響を除外し、あらゆる選択肢を考慮した中でペレスを続投させることが「最善の策」だったと主張した。

「彼の続投が、彼のメキシコでのドライブをリバティ・メディアが望んでいるためだとの報道は正しくない。彼が母国でレースをすることをリバティが望んでいるのは確かだが、我々の選択はリバティの意向に基づくものではない」

「セルジオ・ペレスは夏休み後もレッドブル・レーシングのマシンに乗り続けることになる。なぜならこの後には彼が昨年、良い成績を収めたコースでのレースが控えており、我々は安定性に期待しているからだ」

「彼はこれまでに何度も良いパフォーマンスを見せてきた。直近のスパでの週末においても予選3番手と本当に速かった」

「(フェルスタッペンの降格により)レースは2番手からのスタートとなった。理論上は3位表彰台に上がれたはずだが、タイヤがかなり早く摩耗してしまい彼はプッシュすることができなかった」

「また、我々がミディアム2セットとハード1セットを用意していたのに対し、ライバルはハードを2セットとミディアムを1セットを温存した。これも決定的な要因になったかもしれない」

「速くなる必要はないが、ペレスはより高い一貫性を発揮しなければならない。他の選択肢を考えると彼は依然として我々にとっての最善の策だ」

9月下旬までにレッドブルがF1シートを提供できない場合、ローソンは他のチームに移籍することができる。来季以降もローソンを保持する方法としてはライバルチームへのレンタル移籍が考えられるが、マルコはこれを除外した。

「リアム・ローソンの将来については9月に発表する予定だ。彼がイモラでさらなるF1での経験を積むことは以前から計画されていた。たとえライバルチームから彼を借りたいという希望があっても、それは不可能だ」とマルコは説明した。

ローソン以外にもレッドブルには、スーパーフォーミュラに参戦する岩佐歩夢やFIA-F3選手権ルーキーイヤーで現在ランキング4位につけているアルヴィッド・リンドブラッドなど有望な若手が揃っているが、ジュニアドライバー達の中でF1昇格に向けて一歩リードしているのはFIA-F2選手権でトップに立っているアイザック・ハジャーのようだ。

「我々のF2ドライバー、アイザック・ハジャーはスパで行われた最高のフォーミュラ・クラスで4勝目を挙げた。彼には明らかにF1に進むだけのポテンシャルがある」とマルコは綴る。

「どう展開するか見守ることになるが、彼は何らかの役割を担うことになるだろう。例えばローソンのように、テストドライバーやシミュレータードライバーとして1年を過ごす可能性がある」