2023年のF1降格ペナ第1号はルクレール、第2戦サウジでPU交換へ
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3基目のCE(コントロール・エレクトロニクス)の投入により、シャルル・ルクレール(フェラーリ)が今週末のF1第2戦サウジアラビアGPで早くもグリッド降格ペナルティを受ける見通しとなった。
少なくとも10グリッド降格が科されるため、仮に予選でポールタイムを刻んでも11番グリッドからのスタートを余儀なくされる。史上最多23戦が並ぶカレンダーの第2戦にして早くも選手権争いで後手に回った形だ。
電子制御の問題で初戦DNF
決勝当日朝のエンジン始動の際に異常が確認されたためフェラーリは、開幕バーレーンGPのレースを前に、予防的措置として今季2基目のES(バッテリー)およびCEをルクレール駆る16号車に投入した。
だが非情にもレース中にパワーユニットの制御を司るCEに再び問題が発生したため、ルクレールは3位表彰台を目前にした残り18周という終盤に無念のリタイヤを余儀なくされた。
3基目投入でグリッド降格ペナ
問題の個体は本拠マラネッロへと送られ、エンジニア達による徹底調査が行われた。その結果、ジェッダ市街地コースでの週末に今季3基目のコンポーネントを開封する決断が下された。
レース前とレース中に生じた2回のトラブルについてチーム代表を務めるフレデリック・バスールは、これまでに経験した事のない種類のトラブルであったとして「ジェッダでペナルティを受けなければならないだろう」と語った。
F1競技規定においてESおよびCEの使用は年間2基までに制限されており、3基以上を使用するとグリッド降格ペナルティが科される。
更なるコンポーネントの交換が行われた場合、グリッド最後尾からのスタートとなる可能性もあるが、CEのみの交換であれば10グリッドとなる。
なお、フェラーリ製PUを搭載する僚友カルロス・サインツやアルファロメオ勢、ハース勢がルクレールと同じようにコンポーネントの交換が必要な状況なのかどうかは不明だ。
フェラーリは昨年、グリッド最速級のマシンを作り上げながらも、数々のテクニカルトラブルによって大量のポイントを自ら手放し、チャンピオンシップ争いでレッドブルとマックス・フェルスタッペンの前に敗れ去った。
そこで、2023年シーズンに向けてはパワーユニットの信頼性向上に多くの労力を注いできたものの、第2戦にして早くも降格を受ける事となった。
ただし、昨シーズンの跳馬を悩ませたのはMGU-HやICE(内燃エンジン)関連の問題であり、今回のトラブルとは種類が異なる。