物議のルマンBoP…F1への導入に中団チーム代表は賛成? 反対?
2023年のル・マン24時間レースで物議を醸した性能調整(BoP)。トップチームを追いかける立場にあるミッドフィールドのF1チーム代表達は、F1への導入議論が起きた場合、賛成するのだろうか? それとも反対するのだろうか?
フェラーリとトヨタの一騎打ちとなった第91回ル・マン24時間レースは、1周辺り1.2秒とも推計された全車最大となる37kgものハンデを負ったトヨタが81秒793及ばず2位に終わり、フェラーリが50年ぶりのル・マン復帰戦を総合優勝で飾る結果となった。
土壇場でのBalance of Performance調整についてトヨタの豊田章男会長、モリゾウは「場外の戦い」がスポーツの価値を損ねたとの考えを示し、「ポリティクスに負けた」と不満を漏らす場面もあった。
ル・マンから1週間。F1カナダGPのFP1を経て行われた共同記者会見では、アルピーヌ、マクラーレン、ウィリアムズの各チーム代表に対して次のような質問が投げかけられた。
「先週末のル・マンでは、BoPが素晴らしいレースを演出し、競争力を平準化するのに役立つ事が示されたが、F1は常に純粋な実力主義を貫き、リザルトに干渉しないことを目指してきた」
「キャッチアップを願うチームとして、F1にBoPを導入すべきとの考えがよぎった事はあるか? それとも、F1が長年に渡って培ってきた競技としての純粋性を維持する事が重要との考えで一貫しているのか?」
2021年のリブランド後、未だ1勝に留まっているアルピーヌのオトマー・サフナウアー代表は「スポーツの純粋性」こそがF1のDNAであるとの考えを示した。
すると、2013年以降に同じく優勝1回のみとなっているマクラーレンのアンドレア・ステラ代表が「同感だ」と支持した。
2012年のパストール・マルドナドによる勝利以来、勝ち星を重ねる事ができていないウィリアムズのジェームズ・ヴァウルズ代表は「まず第一に、今年のル・マンは格別だった」と切り出し、次のように続けた。
「レースは24時間に渡って入れ替わり続ける素晴らしいものだった。だが、我々のカテゴリーは競合チームを相手に全力を尽くし、2週間毎に自分たちの序列を確認するというスポーツだ。そう、つまりはスポーツの純粋性だ」