メルセデス圧勝!角田裕毅、RBの6位奪還に望み繋ぐ堅実9位…フェルスタッペン4冠 / F1ラスベガスGP 2024《決勝》結果と詳報
2024年のFIA-F1世界選手権第22戦ラスベガスGPが現地11月23日(土)にラスベガス市街地コースで行われ、メルセデスが1-2フィニッシュで圧勝する傍ら、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が4年連続のドライバーズタイトルを獲得した。
メルセデス圧勝、フェラーリ混乱も3-4
週末を通したメルセデスの俊足が衰えることはなかった。予選10番グリッドからスタートしたルイス・ハミルトンは怒涛の追い上げを見せたが、ポールシッターのジョージ・ラッセルがレースを完全に支配し、安定したペースで7.3秒差をつけて優勝を飾った。
最前列2番グリッドからスタートしたカルロス・サインツは、ターン1でピエール・ガスリー(アルピーヌ)を牽制し、わずかにアウト側に膨らんだ隙を突かれ、フェラーリのチームメイトであるシャルル・ルクレールに順位を奪われた。
ルクレールは3周目にラッセルに迫り、4周目にはDRSを使って攻撃を仕掛けたが、ラッセルの巧みなディフェンスに阻まれた。その後、タイヤのグレイニングが原因でペースが急落し、サインツとフェルスタッペンに抜かれた。
しかしながら、そのサインツも同様に著しいペースダウンに見舞われ、50周のレースの10周目という序盤にフェルスタッペンが2番手に浮上した。
当初は1ストップ戦略が主流と見られていたが、フロントタイヤのグレイニングに苦しむ車両が続出。27周目にフェルスタッペンとハミルトンが追加のピットストップを行ったのを皮切りに、他車も続々と2回目のストップを行った。
サインツがハードタイヤでも極度のペースダウンに見舞われたため、追加のストップを念頭にフェラーリは、ルクレールを先行させよとのチームオーダーを出し、サインツはこれに従った。
だがピットイン直前、準備不足を理由にステイアウトを命じられる混乱が発生した。1周遅れでピットインしたサインツは、「みんな、目を覚ませよ!」と苛立ちをあらわにした。
レース終盤、ハミルトンがラッセルを猛追する中、サインツとルクレールはフェルスタッペンを交わして3-4フィニッシュを達成。フェラーリは、コンストラクターズ選手権をリードするマクラーレンとの差を24ポイントに縮めた。
F1史上5人目の4年連続チャンピオン
レースエンジニアのジャンピエロ・ランビアーゼから「今日の目標を見失うなよ」との無線を受けたフェルスタッペンは、「ああ、自分のレースをするよ」と返答。後方から迫るフェラーリを相手に無駄な抵抗をしなかった。
マクラーレンはトップ4チームの中で最下位のペースに留まった。
次戦カタールGP以降にタイトル争いを持ち越すために、ランド・ノリスはフェルスタッペンに3点以上の差をつける必要があったが、週末を通してそうだったように、MCL38にはこの日もペースがなく、フェルスタッペンが5位フィニッシュする中、6位でレースを終えた。
この結果、フェルスタッペンは、ファン・マヌエル・ファンジオ、ミハエル・シューマッハ、セバスチャン・ベッテル、ルイス・ハミルトンに続くF1史上5人目の4年連続チャンピオンに輝いた。
レース終盤に向けて望みが潰えていく中、マクラーレンはコンストラクターズ選手権争いを念頭に、フリーストップを得たノリスに残り2周でソフトタイヤを履かせて、ファステストラップのボーナスポイントを追加した。
角田裕毅、堅実な9位で2ポイント
7番グリッドに着いた角田裕毅は、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)を抑え込み、10周目の最初のピットストップでハードタイヤに交換。RBのピットクルーが見事な作業で送り出した結果、ピットレーンでピエール・ガスリー(アルピーヌ)を逆転した。両チームのタイヤ交換時間は1秒開いた。
15周目にパワーダウンを訴えた直後、アルピーヌのリアから白煙が上がったガスリーは、自走してピットに戻り、ガレージにクルマを入れた。3番手スタートを結果につなげることはできず、フラストレーションを爆発させた。パワーユニットのトラブルが原因だった。
角田裕毅とRBにとってのターニングポイントは、2回目のピットストップのタイミングだった。
7番手争いのライバルであるピアストリは、25周目という早い段階で2セット目のハードに交換し、2ストップ戦略を採った。これに対して角田裕毅は4周遅れでストップ。ピアストリの後方でコースに復帰することとなり、アンダーカットを許した。
その後、終盤に向けてはニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)にDRSを許し、残り7周で9番手に後退したが、セルジオ・ペレス(レッドブル)の猛追を抑え切り、9位でフィニッシュで貴重な2ポイントを獲得した。
ケビン・マグヌッセン(ハース)とリアム・ローソン(RB)をまとめて抜き去る見事なオーバーテイクを披露したペレスは10位でフィニッシュし、1ポイントを持ち帰った。
アルピーヌ勢は波乱のレースとなった。タイヤ交換の準備ができていなかったために、ピットレーンのスルーを強いられたエステバン・オコンは17位、ガスリーはリタイヤと、ノーポイントに終わった。
結果、ハースが1ポイント差でこれを逆転し、コンストラクターズ選手権6位に浮上した。RBは角田裕毅の活躍で、ハースに4ポイント差の8位と、残り2戦での逆転に望みをつなげた。
周冠宇は、ザウバーにとっての今季初ポイントが期待されるパフォーマンスを見せたが、2回目のピットストップ後に順位を落とし、ポイント獲得のチャンスを逃した。
ウィリアムズ勢は、予選Q2の大事故を受け、パルクフェルメ違反に該当する修復作業が必要となり、ピットレーンからスタートしたフランコ・コラピントが14位で完走した一方、アレックス・アルボンは26周目にメカニカルトラブルに見舞われ、リタイヤを余儀なくされた。
2024年F1第22戦ラスベガスGP決勝リザルト
Pos | No | Driver | Team | Laps | Time | PTS |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 63 | ラッセル | メルセデス | 50 | 1:22:05.969 | 25 |
2 | 44 | ハミルトン | メルセデス | 50 | +7.313s | 18 |
3 | 55 | サインツ | フェラーリ | 50 | +11.906s | 15 |
4 | 16 | ルクレール | フェラーリ | 50 | +14.283s | 12 |
5 | 1 | フェルスタッペン | レッドブル | 50 | +16.582s | 10 |
6 | 4 | ノリス | マクラーレン | 50 | +43.385s | 9 |
7 | 81 | ピアストリ | マクラーレン | 50 | +51.365s | 6 |
8 | 27 | ヒュルケンベルグ | ハース | 50 | +59.808s | 4 |
9 | 22 | 角田裕毅 | RB ホンダRBPT | 50 | +62.808s | 2 |
10 | 11 | ペレス | レッドブル | 50 | +63.114s | 1 |
11 | 14 | アロンソ | アストンマーチン | 50 | +69.195s | 0 |
12 | 20 | マグヌッセン | ハース | 50 | +69.803s | 0 |
13 | 24 | 周冠宇 | ザウバー | 50 | +74.085s | 0 |
14 | 43 | コラピント | ウィリアムズ | 50 | +75.172s | 0 |
15 | 18 | ストロール | アストンマーチン | 50 | +84.102s | 0 |
16 | 30 | ローソン | RB ホンダRBPT | 50 | +91.005s | 0 |
17 | 31 | オコン | アルピーヌ | 49 | +1 lap | 0 |
18 | 77 | ボッタス | ザウバー | 49 | +1 lap | 0 |
NC | 23 | アルボン | ウィリアムズ | 25 | DNF | 0 |
NC | 10 | ガスリー | アルピーヌ | 15 | DNF | 0 |
コンディション
天気 | 晴れ |
---|---|
気温 | 18℃ |
路面温度 | 19℃ |
セッション概要
グランプリ名 | F1ラスベガスGP |
---|---|
レース種別 | 決勝 |
レース開始日時 |
サーキット
名称 | ラスベガス市街地コース |
---|---|
設立 | 2023年 |
全長 | 6201m |
コーナー数 | 17 |
周回方向 | 反時計回り |