角田裕毅「今季はずっと超不運…」エンジンの無事祈る、”劇的”なグレイニングで後退の末にDNF
Published:
初開催のF1ラスベガスGPで終始、最後尾での我慢試合を強いられた挙げ句、メカニカルトラブルによってリタイヤを余儀なくされた角田裕毅(アルファタウリ)は、去年から「超不運」続きだとして、最終アブダビGPに向けてエンジンに問題がない事を祈った。
予選最下位に終わった事でソフトタイヤを履いて20番グリッドに着いた。ターン1の混乱もあって1周目に11番手にまでポジションを上げたものの、その後は徐々に後退。終盤に向けてはクルマに問題を抱え、残り2周でリタイヤした。
スタートタイヤにソフトを選んだのはランス・ストロール(アストンマーチン)と角田裕毅の2台のみだった。この戦略的決断は功を奏した。
だが、セーフティーカー(SC)導入を経て7周目にレースが再開されると以降は、テクニカル・ディレクターを務めるジョディ・エギントン曰く「フロントタイヤのグレイニングが劇的に悪化」し、後退を余儀なくされた。
レースを終えて、クルマのペース不足に驚いたか?と問われた角田裕毅は「そうですね」と同意したが、これには事情があったのだと説明した。
「予選からレースに向けて、セッティング面でちょっとしたギャンブルをしてみたんです。僕のクルマだけですが」と角田裕毅は説明する。
「結局、上手くはいかなかったのですが、挑戦してよかったと思っています。ペースがあまりにも悪かったので、何かしなければなりませんでした」
「なのでチャレンジした事自体は良かったと思っています。上手くいかなかっただけなので」
リタイヤの原因については「ギアボックスかエンジンか…正直、僕には分からないのですが、エンジンじゃないことを祈っています。今シーズンはずっと超不運続きなので」と答えた。
この点についてエギントンは「パワーユニットの問題が疑われたため、クルマをリタイヤさせなければならなかった」と説明した。ギアボックスではなく、エンジンを含めたPU側の原因である可能性が高そうだ。
角田裕毅の22号車AT04は、エキゾーストを除く全てのPUコンポーネントが年間割り当て基数を超えている。つまり、これらに関して新品を開封する必要が生じれば、アブダビGPでグリッド降格ペナルティを受ける事になる。
角田裕毅は2戦前のメキシコGPで、エキゾーストを除く全てのPUコンポーネントを新品に交換したばかりだ。
11月18日(土)にラスベガス市街地コースで行われた2023年F1第22戦ラスベガスGP決勝レースでは、2番グリッドからスタートしたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が通算53勝目を飾った。
ヤス・マリーナ・サーキットを舞台とするシーズン最終アブダビGPは11月24日のフリー走行1で幕を開ける。