アレックス・アルボン「それが重要」5番手から無念の転落もアルファタウリも無得点…SCを機に”悪循環”
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ダブルQ3進出を果たした前日の予選に続き、ウィリアムズはF1ラスベガスGPの決勝でも2台揃ってスタートで素晴らしい仕事をしたものの、レース中盤のセーフティーカー(SC)を機に一転、劣勢に転じ、ノーポイントでアメリカを去った。
5番手グリッドに着いたアレックス・アルボンは第1スティントを通して競争力を維持。16周目にミディアムからハードに履き替える1ストップ戦略を採り、7番手で中盤のリスタートを迎えた。
ただその後はリアタイヤのオーバーヒートとグレイニングに苦しみ、フレッシュなタイヤを履く後続に対して防戦一方の展開となり、相次いでオーバーテイクを許して12位に終わった。
大量ポイント獲得のチャンスを失ったレースを経て、他に何か違う事ができたと思うか?との質問に対してアルボンは「うーん、分からない」と肩を落とした。
「正直言って、レビューして全体を見直さないといけないレースの一つだと思う。でも僕の意見では、レースはそんなに悪くなかったし、うまくマネジメントできてたんだ」
「でもレースの中盤にセーフティーカーが導入された。後方のクルマの殆どはこれを利用する事ができた。だから彼らはチェッカーに向けて新品タイヤを履いていたけど、僕は使い古したタイヤだった」
「自分のレースをコントロールして、やれる事をやったけど、一旦彼らに追い抜かれ始めると、もっとプッシュしなきゃならず、その結果としてグレイニングが酷くなってきた」
「グレイニングは悪化する一方で、ディフェンスのためにラインを外れると、更にロックアップするし、グレーニングも酷くなる。そんな繰り返しのレースだった」
「最後の2周で僕のタイヤは息を吹き返したけど、その時にはもうレースは終わっていたからね。悔しいよ」
確かにリザルトは伴わなかったが、予選での1ラップペースはメルセデスと遜色なく、FW45は間違いなく4番目の速さのマシンだった。
アルボンはラスベガスでの週末から前向きな点を見出すことは間違いなく可能だと認めたが、何よりも重要なのはライバルチームが無得点に終わったことだと指摘した。
特に、週末に先立って今やウィリアムズのみならず中団全体にとっての「脅威」だとしていた角田裕毅とダニエル・リカルドを擁するアルファタウリがノーポイントに終わった事は、コンストラクターズ選手権7位確保に向けて非常に大きい。
「ポジティブな点は確かにあった。予選は明らかに良かった。でも予選が良かったこととレースが悪かったことの根っこは同じなんだ」とアルボンは語る。
「僕らのクルマは予選でタイヤに熱を入れる事ができた数少ないクルマの一つだったと思う。レース当日は1周目とセーフティーカー・リスタートで他のみんなよりグリップがあるのが感じ取れた」
「でもこれは1ラップに限れば良い兆候だけど、その分、タイヤが他の人より少し過熱するってことだからね。まあ、しょうがいないけど」
「アブダビでまた頑張るよ。僕らのライバルはポイントを獲得しなかった。それが重要だ」
コンストラクターズ選手権7位につけるウィリアムズは、8位アルファタウリに7点、9位アルファロメオに12点、そして最下位ハースに16点差のリードを以てヤス・マリーナ・サーキットに向かう。
11月18日(土)にラスベガス市街地コースで行われた2023年F1第22戦ラスベガスGP決勝レースでは、2番グリッドからスタートしたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が通算53勝目を飾った。
ヤス・マリーナ・サーキットを舞台とするシーズン最終アブダビGPは11月24日のフリー走行1で幕を開ける。