ロバート・クビサ「以前と同水準ではF1マシンを操れないが、自分の走りに驚いている」
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来季ウィリアムズの筆頭候補と目されているロバート・クビサは、事故以前と同じように右腕を動かすことは出来ず、握手や物を持つ際は左腕を使う生活を強いられている。ロンドンで行われたAutosport Awardsに出席したクビサは、事故以前と同水準でF1マシンを操れない事を明らかにした。
「これまでと同じようにF1マシンを操れないのは確かだけど、見た目ほど制限されているわけじゃないんだ。ドライビングに関して言えば、90%位は以前と大差ないよ」
シングルシーターのF1はコックピットがかなり狭く、無理な体制でのステアリング操作を求められる。事故から1年半後には箱車のラリーに復帰したものの、右腕の自由が利かないが故にフォーミュラカーとは距離を置き続けてきた。依然として身体的な制限はあるものの、現在はハードにトレーニングを重ねている事もあり昔より体調は良いという。
自分のドライビングを冷静に分析する一方で、クビサは以前と異なる状況や方法で車を操作しなければならないにも関わらず、限られた時間の中で迅速に適応できている事に驚いていると自身をみせる。
「ツイてないことに僕のキャリアは中断を余儀なくされた。幾らか障害を負ったからね。そんな体ではあるけど、上手く生きていく方法を学んだし、F1マシンのドライブに関してもどうすれば良いのかを学習した。実際、自分のリザルトにかなり驚いている位なんだ」
「昔との最も大きな違いは”脳”だよ。脳が持つポテンシャルは信じられない位だ。異なるコンディションに素早く順応してくれるんだ」
F1復帰を目指すクビサは、ニコ・ロズベルグをマネジメントに迎え今年ウィリアムズで複数回のテストを受けた。先月29日のアブダビタイヤテストではレース2回分に相当する100周以上を走りきり、レギュラードライバーのランス・ストロールのベストタイムに0.115秒先行、2日間のテストでのウィリアムズ最速タイムを記録している。
「僕にとって最も重要な事は、自信があるって事なんだ。やり遂げられるって感じる事ができてるんだ」クビサはこう付け加えた。
技術責任者のパディ・ロウは早急にドライバーラインナップを決めるつもりはないと公言しており、シート発表が何時になるかは不透明な状況となっている。