アブダビ自律走行レーシングリーグ(A2RL)の開発ドライバーに就任した野田樹潤(Juju)、2024年8月28日
Courtesy Of A2RL

野田樹潤、自律走行レース「A2RL」の開発ドライバーに就任…イタリアでの欧州初テストに参加

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Jujuこと野田樹潤が、アブダビ自律走行レーシングリーグ(A2RL)の開発ドライバーに就任し、イタリアのイモラ・サーキットとヴァッレルンガ・サーキットを舞台とする初の欧州テストに参加することが発表された。

スーパーフォーミュラで使われているダラーラSF23をベース車両とするA2RLは、北米、ヨーロッパ、アラブ首長国連邦(UAE)、アジアにまたがる8チームが225万ドル(約3億2,400万円)の賞金をかけて完全自律走行のレースカーで競い合うシリーズだ。

アブダビ自律走行レーシングリーグ(A2RL)の第一回大会に出場した8チームのSF23、2024年4月28日Courtesy Of A2RL

アブダビ自律走行レーシングリーグ(A2RL)の第一回大会に出場した8チームのSF23、2024年4月28日

2024年4月28日にヤス・マリーナ・サーキットで行われた第一回大会では、ドイツのミュンヘン工科大学(TUM)チームが優勝した。自律走行車と人間のレーシングドライバーとの対決では、A2RLの開発ドライバーを務める元F1ドライバーのダニール・クビアトが10.38秒差で勝利を収めた。

自律走行車レースは、人工知能(AI)、革新的なセンサー技術、エッジコンピューティングなどの最先端技術を組み合わせ、人間の介入なしに周囲を認識、意思決定を行いレースを行うもので、A2RLは自動運転開発技術を前進・加速させることで、公道における安全性の向上を目指している。

A2RLはUAE以外の地域への進出を目指しており、A2RLにとっての未知の環境であるイタリアで行われている3日間のテストでは、野田樹潤にステアリングを託し、車両ダイナミクスや無線通信に関わる環境的な課題、新しいセンターの評価や、ドライバーの行動に関するデータ等を収集する。

9歳でシングルシーターデビューを果たした野田樹潤は、元F1ドライバーの父の足跡を追いプロモータースポーツの世界に飛び込んだ。Wシリーズやユーロフォーミュラ・オープンを経て今季はTGMからスーパーフォーミュラに参戦している。

テストに先立ち野田樹潤は、「SF23はとても馴染みのあるプラットフォームなので、イタリアの象徴的なサーキットでどのようなパフォーマンスを発揮するのか興味深いところです」と語った。

「私にとって自立走行車のための開発ドライブを経験するのは今回が初めてです。A2RLチームとの仕事を本当に楽しみにしています」

今年初めにヤスマリーナ・サーキットでエンジニアリングチームと広範な作業に取り組んだクビアトとともに野田樹潤は、シリーズの2年目のテストを分担していく。

アブダビ自律走行レーシングリーグ(A2RL)のテストでステアリングを握る野田樹潤(Juju)、2024年8月28日Courtesy Of A2RL

アブダビ自律走行レーシングリーグ(A2RL)のテストでステアリングを握る野田樹潤(Juju)、2024年8月28日

今回のテストについてA2RLのステファン・ティンパノCEOは、「イモラとヴァレルンガでは興味深い技術的詳細が得られるはずだ。ひいては海外レースや世界的なシリーズへの道筋となる可能性もある」と語った。

「スーパーフォーミュラのレースを通じてSF23に精通しているJujuと協力できることを楽しみにしている」

「イタリアで収集するデータは、AI駆動レースの今後に向けて車両とチームの準備を進めるうえで大いに貴重なものとなるだろう」