ホンダF1、母国鈴鹿で強敵相手に「全てを出し尽くす覚悟」
ホンダF1の現場統括責任者を務める田辺豊治テクニカル・ディレクターが、ホンダのお膝元、三重県鈴鹿サーキットで開催される2019年FIA F1世界選手権第17戦日本GPに先立って抱負を語った。
トロロッソにエンジンを単独供給していた昨年、ホンダはF1日本GP予選でブレンドン・ハートレーが6番手、ピエール・ガスリーが7番手を獲得し、地元ファンの目の前で印象的なパフォーマンスを見せつけたもの、決勝でのSTR13は振るわず、残念ながら2台のマシンはトップ10圏外でレースを終えた。
ホンダのお膝元として知られる鈴鹿サーキットは、世界でも類を見ない8字レイアウトを持ち、最高速は330km/hと高いながらも、S字やデグナー代表されるテクニカルなコーナーを数多く持ち、ブレーキを使う場面は一周の内たったの10%しかない。F1ドライバーは誰もが口を揃えて、その素晴らしさとコースの難しさを褒め称える。
昨年のホームレースで失望の結果に終わったホンダは今年、競合レッドブルとの新たなパートナーシップをスタートさせた。サーキット側は観客数増加を見込んでホンダ応援席を1万席へと拡大したものの早々に完売。今年のF1日本GPが例年以上に盛り上がる事は間違いない。
自他ともに認める母国鈴鹿で「全てを出し尽くす覚悟」
田辺 豊治ホンダF1現場責任者
ホンダの誰もが皆、ホームレースを楽しみにしていますし、F1に携わる大部分の方々もまた、鈴鹿を世界有数のサーキットだと考えてくれている事と思います。だからこそ、鈴鹿でのF1日本GPは、毎年エキサイティングな週末になるのだと思います。
車体とエンジン、そしてタイヤを組み合わせたパッケージ全体のあらゆる側面のセットアップを突き詰めていくという点に関して、鈴鹿サーキットはドライバーにとってもエンジニアにとっても非常に要求が高く、チャレンジングなコースと言えます。
今回の母国レースでは、ホンダ・エアクラフト・カンパニーの小型ジェット旅客機が、決勝スタート前にサーキット上空をフライパスする予定となっており、楽しみにしています。HA-420型のHondaJetは、7人乗りの軽量ビジネスジェット機でツインエンジンを搭載しているのですが、エンジン搭載構造が革新的かつユニークで、これによって優れた燃費と軽量化を実現しており、その結果、大成功を収めているモデルです。
そんな最先端のプロダクトに関わったエンジニア達が、我々のF1プロジェクトにも参加しており、彼らの貢献によって、ホンダのタービンとMGU-Hの信頼性及び性能の両面がここ数年で大幅に改善されました。そういった経緯がありますので、これら2つのホンダのテクノロジーを、コース上とコース上空で同時に楽しめるのは素晴らしい事だと思っています。
いつものように、今回もライバル達は非常に手強いと思いますし、楽な週末にはならないでしょう。ですが日本の地で素晴らしいレースをするために、レッドブル・レーシング及びスクーデリア・トロロッソと一緒に、全てを出し尽くす覚悟です。
日本GPの戦いの舞台となるのは、ホンダのお膝元、三重県鈴鹿サーキット。1周5807mのコースは世界屈指の高速セクション「S字」を擁し、多くのドライバー達が難コースとして名を挙げる。
台風一過の好天に恵まれた昨年のグランプリでは、ルイス・ハミルトン(Mercedes)がポール・トゥ・ウインを果たし、2位にバルテリ・ボッタス(Mercedes)、3位にマックス・フェルスタッペン(Red Bull)という結果だった。
2019年のF1日本GPは、10月11日(金)10時からのフリー走行1で幕を開ける。