アルファタウリAT04に乗り込む岩佐歩夢、2023年11月28日アブダビF1ポストシーズン・テスト(ヤス・マリーナ・サーキット)
Courtesy Of Red Bull Content Pool

岩佐歩夢、再びF1マシンをドライブ…RBのフィルミングデーに合わせてTPCテストを実施

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RBはシーズン前半最終戦のベルギーGPを経て、地元イタリアのイモラ・サーキットで2日間に渡るフィルミングデーを開催。岩佐歩夢がTPC(旧車)テストの一環として、ビザ・キャッシュアップのカラーが施された2022年型アルファタウリ・ホンダ「AT03」をドライブした。

フィルミングデーは通常、ファンやメディアを完全にシャットダウンした状況で行われるが、今回の走行にはファエンツァの従業員の家族や関係者が招待された。

シート喪失が危ぶまれていたセルジオ・ペレスの続投を経て、角田裕毅とダニエル・リカルドは現行のVCARB 01を走らせ、リザーブ・ドライバーのリアム・ローソンとジュニアドライバーの岩佐歩夢はフィルミングデーとは別に、テストの一環としてAT03のステアリングを握った。

当初、ローソンはリカルドと並びVCARB 01での走行を予定していたとされるが、レッドブルのドライバーラインナップに関する決定を受け、初日に終日に渡って旧車をドライブしたと見られている。

ペレスの去就に関しては、レッドブル側は解雇を決めていたものの、F1の商業権を持つリバティ・メディア、あるいはペレスの支援者、巨額の富を持つメキシコの大富豪、カルロス・スリムの介入を経て一転、続投が決定されたとも囁かれている。

予期せぬペレスの残留決定はレッドブルの若手ドライバー育成プログラムに大きな影響を与える。若手ドライバーの視点から見た場合、ペレスの続投は昇格の道を大きく閉ざすものだ。ローソンは来季シートが得られない場合、レッドブルとの契約を解除することができる。

スーパーフォーミュラでのデビューシーズンで開幕4戦を終えてランキング4位につける岩佐歩夢は、2日目の8月1日(木)にローソンからAT03のステアリングを引き継ぎ周回を重ねた。今年4月初めに鈴鹿サーキットで行われたF1日本GPではFP1デビューを果たし、VCARB 01をドライブした。

F1レギュレーションはテストを厳しく制限しているが、FIAの事前承認を取り付け、指定のデモタイヤを装着するなどの条件を満たせば、旧車を使ったTPCテストに関しては比較的容易に実施することができる。

いわゆるフィルミングデーに関しては現行マシンを走らせることが許されているが、純粋にマーケティングまたはプロモーションを目的としたものでなければならず、200kmを上限として年に2回に制限されている。またTPC同様、タイヤも専用のものを装着しなければならない。