デ・フリース、急遽登板で僚友上回る13番手!不慣れな”スイッチ”が招いたQ2の奇妙なロックアップ
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ウィリアムズの2023年候補に挙げられているニック・デ・フリースは、自身初のF1予選となった10日(土)のモンツァでのグリッド争いで堂々の13番手タイムを刻んだが、慣れ親しんだステアリングを使っていればQ3進出もあり得たかもしれない。
アレックス・アルボンが虫垂炎を発症したためウィリアムズは急遽、その代役としてF1イタリアGPのFP3以降のセッションでデ・フリースを起用する事を決定した。それは27歳のオランダ人ドライバーにとって全く予期せぬ出来事だった。
代役依頼の電話が鳴った時、デ・フリースはF1が企画する予選前番組の収録のために準備をしている最中だった。
「間違いなく予想外だったよ! 連絡をもらった時、僕は番組出演のためにパドッククラブにいて、文字通りカプチーノをすすりながら待機していたんだ」とデ・フリース。
「そうしたらメルセデスから電話がかかってきて、大至急決めるようにって言われて、それでウィリアムズの所に向かったんだ。本当にエキサイティングだった」
「もちろん、アレックスの事は本当に気の毒だと思っているし、早く良くなって欲しいと願ってる。でも同時に、僕にとってまたとないチャンスだって事も確かだった」
「FP3の開始まであと1時間半というギリギリのタイミングだったから、準備のための時間も限られていた」
デ・フリースは思いもよらず乗り込む事になったFW44を駆り、FP3でニコラス・ラティフィに1000分の93秒と迫るタイムを記録。予選ではチームメイトがQ1敗退を喫する中、驚くべき事にQ2へと駒を進めた。
予選第2ラウンドでは1セット目の計測で13番手タイムをマークするも、最終アタックではターン4でロックアップを喫してラップを台無しにしてしまった。ただ奇妙な事に、ロックしたのはフロントではなくリアだった。
原因は慣れないステアリングホイールにあった。誤ってスイッチを押してしまった結果、ブレーキバランスが変わってしまったのだと言う。
「Q2のラストランは失敗だった。僕はアレックスが使っていたスイッチの配置に慣れていたんだけど、あの時はニコラスのステアリングを使っていたんだ」
「何かのスイッチを押してしまい、ブレーキバランスが1.5%リアに動いてしまった結果、ターン4のブレーキングでリアをロックアップさせてしまった」
「Q2の1回目のラップはトラフィックに巻き込まれてタイヤの温度も少し下がっていたから、全てが上手くいったわけじゃないけど、結果的には悪くなかったと思う」
ライバル達のグリッド降格ペナルティによってデ・フリースは、同胞のマックス・フェルスタッペン(レッドブル)と同じ4列目8番グリッドに着く。
ポイントを獲得できるかどうかは別にしても、日曜のレースはデ・フリースの今後のキャリアを大きく決定づける可能性がある。
2022年F1イタリアGP予選ではシャルル・ルクレール(フェラーリ)がポールポジションを獲得。2番手にマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、3番手にカルロス・サインツ(フェラーリ)が続く結果となった。
イタリア・グランプリの決勝レースは日本時間9月11日(日)22時にフォーメーションラップが開始され、1周5793mのモンツァ・サーキットを53周する事でチャンピオンシップを争う。