ブレンドン・ハートレーの28号車トロロッソ・ホンダSTR13、2018年F1イタリアGP FP2にて
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トロロッソ・ホンダ、高速コースでの課題が露呈するも 望みを繋ぐリザルトに手応え / F1イタリアGP《初日》サマリー

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8月31日、ヨーロッパラウンド最終章となるF1世界選手権第14戦イタリアGPがモンツァ・サーキットで開幕。カレンダーの中で最も長い歴史と伝統を誇るモンツァはシーズン中トップレベルの超高速サーキットとして知られており、トロロッソ・ホンダSTR13との相性はカレンダーの中で最も悪い。

初日金曜のモンツァは朝から豪雨。現地午前11時から始まったプラクティス1では、全車雨用のフルウェットタイヤを履いてコースに飛び出した。気温17℃、路面温度は21℃。レッドブル・トロロッソ・ホンダの2台は、レインタイヤで1ラップを走行した後ピットイン。路面コンディションが少し回復した35分経過時点で、インターミディエイトに履き替え再びコースに出た。

ウェットコンディションのイタリアGP FP1を走行するトロロッソ・ホンダのブレンドン・ハートレー
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路面状況の回復に伴いラップタイムも向上。ブレンドン・ハートレーは自己ベスト1分35秒024を刻み4番手、ピエール・ガスリーは1分35秒438で6番手につけた。セッション終了5分前の時点では1-2体制を築くなど、滑りやすい路面状況の中で、印象的なパフォーマンスを示し好スタートを切った。

午後3時からのプラクティス2では雨も上がり、路面は完全なドライコンディションとなった。開始直後のマーカス・エリクソンのクラッシュに伴い赤旗中断。再開後にソフトタイヤでコースインした2台は、10周を走った後ピットへと戻った。ガスリーはその後スーパーソフトタイヤに履き替え1分23秒888、1分23秒402とベストを更新した。

ハートレーはボディーワークにトラブルが確認されたため走行チャンスをロス。終盤にようやくスーパーソフトでタイムを計測し1分23秒531のベストラップで16番手となった。ガスリーはスーパーソフトタイヤでロングランを行い、セッション終盤に再びソフトタイヤに履き替えプログラムを消化。最終14番手でFP2を終えた。

ウェットでのリザルトは有望であるものの、マシンの純粋なパフォーマンスが表れるドライでは2台揃って失速。エンジン性能とトラクションの低さが露呈する結果となった。とは言え、14番手ガスリーからミッドフィールド最速の7番手エステバン・オコンまでのギャップは0.472秒。決して小さな差ではないものの、かと言って為す術がないほどの絶望的なギャップでもない。

2回のプラクティスを振り返ったスクーデリア・トロロッソのジョナサン・エドルズ主任レースエンジニアは「マシンとの相性が悪いグランプリである事を思えば悪くない結果だし、マシンの感触も悪くない」と述べ、土曜以降の改善に期待を示した。

トロロッソ・ホンダ:F1イタリアGP初日を終えて

ピエール・ガスリーFP1: 6位, FP2: 14位

今日はなんだか慌ただしい一日だったよ。午前は雨で午後はドライだったから、両方のコンディションでマシンをチェックしたんだ。雨が降ってくれた事で、僕らは週末を前向きな形でスタートさせる事が出来たし、午後はロングランで良い仕事が出来た。

全体的に言えばマシンはまだ最高とは言い難い状態だから、パフォーマンスを改善するために作業を続けなきゃならないけど、明日に向けて改善の余地はあると思ってる。できれば明日も雨が降ってくれると良いんだけどね。そうすればライバルとのギャップが消えて横一列状態になるし、もっとエキサイティングなセッションになるはずだからね。

ブレンドン・ハートレーFP1: 4位, FP2: 16位

モンツァでの初日金曜はポジティブな一日になったよ。雨が降った午前のセッションでは一時タイムシートのトップに立っていたし、最終的に4番手だったからね。インターミディエイトを履いた状態でのマシンはとても良く機能していたよ。

午後のFP2ではボディーワークに幾つか問題が発生してしまったため、長い時間をガレージで過ごすことになってしまい走行時間をロスしてしまった。そうは言っても今日は良い一日だったって言い切れるし、ウェットとドライが混在するコンディションでのパフォーマンスに滿足してる。

田辺 豊治ホンダF1現場責任者

まずはじめに、大きなクラッシュに見舞われたマーカス・エリクソンが無事だった事にとても安心しました。現代のF1マシンの安全性の高さが改めてよく分かったのではと思います。

朝方の大雨の後に迎えた午前のセッションは、徐々にトラックがウエットからドライに変化していくコンディションで、大変難しいものとなりました。午後は曇りながらもドライでのセッションとなり、通常の金曜日のプログラムに取りかかることができました。

他車のクラッシュなどにより走行時間を失った部分はあるものの、パワーユニット側としては大きな問題もなく比較的スムーズな一日となりました。明日も不安定な天候が予想されていますが、予選に向けて今日得られたデータを分析し準備を進めていきたいと思います。

ジョナサン・エドルズチーフレースエンジニア

モンツァで開催されるイタリアグランプリは、熱狂的なティフォシが特別な雰囲気を作り出し、シーズンで一番の盛り上がりをみせる週末の一つだ。残念な事に、今朝はあいにくの大雨の中でスタートすることになったけど、熱心なファンが大勢詰め掛けてくれた。

1回目のフリー走行ではセッションを通して雨が降り続き、大半がインターミディエイトタイヤが適したコンディションだった。金曜の走行では予選・決勝で使う分とは別にタイヤを1セット使うことができるため、まずますの周回が走り込めて満足している。

今日は空力とメカニカルに関するテストを多く準備していたのだが、ウエットコンディションのため全てを消化する事が出来なかった。グリップがとても低いことに加えて、モンツァ特有の低ダウンフォースセッティングが影響し、両ドライバーともマシンバランスに苦戦していたが、それでも学ぶことがあったセッションだった。

2回目のフリー走行でも雨が予想されていたのだが、結局雨は降らずにドライコンディションとなった。エリクソン(ザウバー)の大クラッシュによって開始が遅くれてしまったが、怪我もなく無事だったのがなによりだよ。FP2では予選に向けての準備として、2種類のタイヤで通常テストとロングランを行った。

セッション序盤に軽めの燃料で走行した後、ブレンドンのマシンに問題が出てしまい修復に手間取ってしまった。その結果、スーパーソフトでの走行をセッション終盤まで行う事が出来なかったわけだが、その時点で他のチームは燃料を多く積んだロングランを開始しており、トラフィックのために予選シミュレーションが台無しになることはなかった。ただし、ブレンドンはロングランを十分に出来ず、その点は残念だ。

最も苦戦するだろうと思って臨んだ週末であった事を踏まえれば、全体的には上手くいったと言えるし、マシンの感触は悪くなかったと思う。


初日をトップで締め括ったのは地元スクーデリア・フェラーリのセバスチャン・ベッテル。2番手にキミ・ライコネンが続き跳ね馬が1-2体制で初日を締め括った。3番手にはベッテルから0.287秒遅れでメルセデスAMGのルイス・ハミルトンが続いた。

F1イタリアグランプリ3回目のフリー走行は、日本時間9月1日(土)19時から20時まで、公式予選は同22時から1時間に渡ってモンツァ・サーキットで開催される。

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