モンツァのパドックを歩くホンダF1の現場統括責任者を務める田辺豊治テクニカル・ディレクター、2020年F1イタリアGPにて
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ホンダF1、エンジンモード変更禁止に向け最終調整「予選以降は未知の世界」

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ホンダF1の現場統括責任者を務める田辺豊治テクニカル・ディレクターは9月4日(金)に行われた2020 F1第8戦イタリアGP初日プラクティスを振り返り、予選モード禁止措置への対応として通常とは異なるプログラムを実施した事を明かし、2日目に向けてリライアビリティと出力との最適なバランスを見出すべく、最終調整を行う考えを示した。

モンツァでの初日。ホームレースとなるアルファタウリは、ホンダとの50戦目の節目を迎えるに際し、AT01に記念ロゴを掲載してセッションに臨んだ。今季好調のピエール・ガスリーはFP1で6番手を刻むと、午後も競争力を示して4番手タイムをマーク。今季最高の金曜日を過ごした。

アルファタウリ・ホンダとして挑む50戦目の節目、F1イタリアGPでAT01に掲げられた特別なロゴ
© Red Bull Content Pool、AT01に掲げられた50戦記念ロゴ

Pos Driver Team Time Gap Laps
4 ピエール・ガスリー アルファタウリ・ホンダ 1:21.121 +0.929 25
5 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダ 1:21.228 +1.036 30
7 ダニール・クビアト アルファタウリ・ホンダ 1:21.376 +1.184 35
14 アレックス・アルボン レッドブル・ホンダ 1:21.883 +1.691 36

マックス・フェルスタッペンは珍しくもクラッシュを喫した。FP1の中盤にアスカリ・シケインの立ち上がりでリアを失い、グラベルを通り越してタイヤバリアに激突。大きな事故ではなかったもののフロントウイングが破損しセッションは一時赤旗中断となったが、メカニックの迅速な修復作業によって22分15秒のロスでコースに戻った。フェルスタッペンは両セッションで5番手という結果だった。

アレックス・アルボンは、FP1でメルセデス勢に続く3番手タイムをマーク。午後はトラックリミットもあり14番手と沈んだが、クルマにかなりの手応えを得ているようで、2日目に向けて自信を示している。ダニール・クビアトは7番手で初日を締め括り、ホンダ勢としては3台がトップ10入りを果たした。

ホンダ:F1イタリアGP初日を終えて

田辺 豊治ホンダF1現場責任者

今日のイタリアGP初日は、FP1でフェルスタッペン選手のコースアウトがあったのものの、パワーユニット(PU)としては問題なく順調にプログラムを消化することができました。

まだ初日とはいえ、特にホームレースとなるスクーデリア・アルファタウリは2台共に良いポジションにつけており、良い形で週末のスタートが切れたと考えています。

今週末から予選と決勝で同一のPUモードの使用を定めた規制が適用されるため、今日のプラクティスセッションではその設定確認のために、通常とは若干異なるプログラムで走行を行いました。今日集めたデータをもとに、予選と決勝で使用するモードの詳細を煮詰めて最適化を進めます。

明日の予選以降は、我々にとってこれまで経験したことのない形でPUを運用する事になりますが、パフォーマンスと信頼性のベストバランスを取りながら、週末を戦っていきたいと考えています。


初日をトップで締め括ったのはルイス・ハミルトン(メルセデス)。2番手バルテリ・ボッタス(メルセデス)を0.262秒差で退けた。3番手には0.897秒遅れでランド・ノリス(マクラーレン)が続く結果となった。

F1イタリアグランプリ3回目のフリー走行は日本時間9月5日(土)19時から、公式予選は同22時から1時間に渡ってモンツァ・サーキットで開催される。

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