ベル・アイル・パークを走行するチーム・ペンスキーのジョセフ・ニューガーデン
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インディカー 第7戦デトロイト1決勝:ニューガーデン優勝、佐藤琢磨は2戦連続3位「非常に重要なポイントを得た」

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2019年NTTインディカー・シリーズ第7戦シボレー・デトロイトGP決勝レース1が、現地6月1日(土)にミシガン州南東部のベル・アイル・パークで行われ、チーム・ペンスキーのジョセフ・ニューガーデンが優勝した。予選9番手からスタートしたレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングの佐藤琢磨は、前戦インディ500に続いて2戦連続となる3位を獲得した。

バンピーな路面と雨の影響でクラッシュが多発し、計4回のフルコースイエローが炸裂。ピットストップタイミングの妙で、最後イエロー前にトップに立ったニューガーデンが、ポールシッターのアレキサンダー・ロッシ(Andretti)の猛追を振り切り勝利を飾った。

インディカー・シリーズ第7戦デトロイト1を3位で終えてインタヴューを受けるレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングの佐藤琢磨
© Indycar、レース後インタビューを受ける佐藤琢磨

ランキングをリードしていたシモン・パジェノー(Team Penske)が6位に終わったことで、ニューガーデンが選手権トップに浮上。難しい状況の中でもシーズンを通して安定した成績を続けてきた佐藤琢磨は、ランキング4番手の座をキープし、5番手につけていたスコット・ディクソン(Chip Ganassi)とのギャップを広げた。

レースを振り返った佐藤琢磨は「シーズン考えるとすごく大事なポイントが獲得できたと思います。これ以上ポジションを上げられるかどうかが分からない状況の中、9番グリッドからのスタートであった事を考えれば、ピットストップは素晴らしくチームは素晴らしい仕事をしてくれました」と語った。レイホール勢は週末に渡ってクルマに苦戦していた。

土曜午後の現地は落雷を伴う雨に見舞われ、ウェットレース宣言が出された。これにより、70周もしくは75分のどちらかの条件に達した場合にレースが終了する事となり、2種類のタイヤを使う義務が消滅。全車レインタイヤを履き、オリオール・セルビアがドライブするペースカーに先導される中でフォーメーションラップが開始された。

3周のフォーメーションラップを経てグリーンフラッグが予定されていたが、その前にザック・ビーチ(Andretti)が足元をすくわれスピン。イエローコーションが出たために、1周のエクストララップが追加され、当初の予定から一時間半遅れでレースがスタートした。

ウェットレースとなった2019年インディカー・シリーズ第7戦デトロイト1
© Indycar、レーススタート時は完全なウェット。時計の針が進むに連れて徐々に天候も回復しドライへとチェンジした

だが、ただでさえ路面の凹凸が激しい事に加えて、トラックの後半セクションはかなり水溜りが多くコンディションは最悪。マテウス・レイスト(AJ Foyt)が単独スピンを喫した事で、レース開始直後に1回目のフルコースイエローが出された。9番グリッドの佐藤琢磨はバッドコンディションの中で見事なドライビングを披露。一気に2ポジションアップを果たした。

レースは6周目にリスタート。悪路での佐藤琢磨の勢いは止まらず、ターン1でアウト側からライアン・ハンター=レイに仕掛けて6番手に、その直後にはコルトン・ハータを捕らえて5番手に浮上した。

小雨が残る中、13周目にマルコ・アンドレッティ(Andretti)が先陣を切ってピットイン。ドライタイヤに履き替えコースに復帰した。その3周後には、エド・ジョーンズ(Ed Carpenter)がターン7のタイヤバリアにクラッシュ。これによって再びフルコースイエローが出され、ピットオープンと同時にタイヤ交換を終えていない全車が一斉にピットへと動いた。

各車スリックタイヤに履き替えコースに戻ったが、交換作業が終わる前にウィル・パワー(Team Penske)がピットアウト。右フロントタイヤが取り付けられておらず、ホイールがコース上に脱落した。なんとか一周を走り終えてピットへと戻り、再びホイールを取り付けコースに復帰するも、一気に最後尾に転落。18位でフィニッシュした。

リスタートは22ラップ目。ピット作業で6番手に後退した佐藤琢磨はポジションをキープした。24周目に再びアクシデントが発生。3番手につけていたスコット・ディクソンがタイヤバリアに激突した。絶対王者のまさかのクラッシュにより、3回目のフルコースイエローとなった。

レースは28周目に入りスタート。ディクソンのリタイアにより5番手に浮上した佐藤琢磨は、ライアン・ハンター=レイとフェリックス・ローゼンクビスト(Chip Ganassi)を立て続けに抜き去り3番手を確保した。だがグリーンフラッグは長くは続かず、マテウス・レイストがターン7でクラッシュ。4回目のフルコースイエローとなった。

相次ぐフルコースイエローのために75周を消化することはできず、22台の争いはタイムレースに突入。33周目にリスタートを迎えたレースは43周目にチェッカーフラッグが振られ、ニューガーデンが残り13分のスプリントレースを制した。

ダブルヘッダーとなる第8戦デトロイト2は、日本時間6月3日(月)早朝4時よりGAORA SPORTSで生中継される。視聴には、スカパーひかりTVとの契約が必要となる。

Pos. Start Driver Gap
1 2 ジョセフ・ニューガーデン
Team Penske
–.—-
2 1 アレキサンダー・ロッシ
Andretti
0.8237
3 9 佐藤琢磨
Rahal
11.476
4 4 フェリックス・ローゼンクビスト
Chip Ganassi
11.8833
5 6 ライアン・ハンター=レイ
Andretti
12.2263
6 13 シモン・パジェノー
Team Penske
12.5127
7 11 グラハム・レイホール
Rahal
13.1515
8 8 ザック・ビーチ
Andretti
14.0022
9 10 ジェームズ・ヒンチクリフ
Schmidt Peterson
15.2409
10 17 スペンサー・ピゴット
Ed Carpenter
16.1462
11 16 セバスチャン・ブルデー
Dale Coyne
16.9309
12 5 コルトン・ハータ
Harding Steinbrenner
17.2807
13 15 マーカス・エリクソン
Schmidt Peterson
17.9085
14 7 パトリシオ・オワード
Carlin
24.0822
15 21 トニー・カナーン
AJ Foyt
25.6122
16 18 マルコ・アンドレッティ
Andretti
26.0652
17 19 マックス・チルトン
Carlin
26.4759
18 12 ウィル・パワー
Team Penske
33.0561
19 22 サンティノ・フェルッチ
Dale Coyne
43.1639
20 14 エド・ジョーンズ
Ed Carpenter
1 lap
21 20 マテウス・レイスト
AJ Foyt
13 lap
22 3 スコット・ディクソン
Chip Ganassi
20 lap