インディアナポリス・モーター・スピードウェイ、2019年インディ500予選
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インディ500 予選1:佐藤琢磨、風に翻弄され14番手突破「ちょっと悔しい!」 アロンソは脱落の危機

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第103回インディ500のスターティング・グリッドを決する予選1日目のセッションが、5月18日土曜にインディアナポリス・モーター・スピードウェイ(IMS)で行われ、10位から30位までのグリッドが確定した。

予選では、各ドライバーが4周連続でアテンプトを行い、その平均速度で順位を決定する。再度アテンプトを行う事も可能だが、その場合は記録済みの速度を放棄して臨むか(レーン1)、記録した速度を保持したまま臨むか(レーン2)を選択し、各々のレーンに並んで試技を待つ。

白紙撤回の背水の陣となるレーン1は、レーン2よりも高い優先権が設定されており、レーン1に並ぶクルマがいない状況でのみレーン2にアタックチャンスが訪れる仕組み。上位9台は「ファスト9シュートアウト」に、31番手以下は「ラストロー・シュートアウト」へと進み、予選2日目に全てのグリッドを決定する。

インタビューに応えるレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングの佐藤琢磨、2019年インディ500予選
© Indycar、インタビューに応える佐藤琢磨

レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングの佐藤琢磨は、風の影響により3ラップ目のターン2でスロットルを戻す事を強いられながらも、平均速度228.300mphで14番手を獲得。更なるポジションアップが可能だと判断したため、再アテンプトに向けてレーン2に並んだが、スピードの出やすいセッション終了間際のレーン1にクルマが殺到。残念ながら2回目の挑戦は叶わなかった。

「ちょっと悔しいです」と佐藤琢磨。「3周目の2コーナーで突風が吹いてしまってクルマが思い通りに動いてくれず、少しラインが膨らんでしまいアクセルを戻してしまったため、スピードが落ちてしまいました。その点がすごく悔やまれます。全体的なラップとしては悪くなかったのですが、3周目だけが残念でなりませんでした」

レーン1から2度目のアテンプトに向かうマクラーレンのフェルナンド・アロンソ、2019年インディ500予選
© Indycar、レーン1から2度目のアテンプトに向かうアロンソ

マクラーレンのフェルナンド・アロンソは、スローパンクチャーに見舞われた事もあり、1回目のアテンプトを終えて33番手。起死回生の逆転にかけるべく、レーン1から計5度の再アテンプトに挑戦するも31番手。予選通過を確定させる事が出来ず、2日目のラストロー・シュートアウトに臨む事となった。

昨年のインディ500で無念の予選落ちを喫した英国人女性レーサーのピッパ・マンは、30番手ギリギリで予選突破。クルーと抱き合って喜んだが、同じく昨年涙をのんだジェームズ・ヒンチクリフは、最初のアテンプトでクラッシュ。悪夢が蘇った。

現地14時半、2ラップ目に突入したヒンチクリフが、ターン2への進入の際にリアを滑らせセーファーバリアに。吹き飛ばされたアロー・シュミット・ピーターソン・モータースポーツのマシンは宙へと浮き上がり、車体は激しくダメージを負った。幸いにも怪我はなくセッション続行が許可されるも、バックアップカーに乗り換えたヒンチクリフは30番手圏内に入れ込む事が出来なかった。

アロンソ、ヒンチクリフに加えて、マックス・チルトン、カイル・カイザー、セージ・カラム、パトリシオ・オワードの計6名が、最後のチャンスをかけてラストロー・シュートアウトに臨む。残されたグリッドは後3つ。3名が決勝レースを走ることなく、インディアナポリスを後にすることになる。

クルーと抱き合って予選通過を喜ぶピッパ・マン、2019年インディ500予選
© Indycar、クルーと抱き合って予選通過を喜ぶピッパ・マン

ファスト9に進出を決めた上位9台の内、ホンダエンジン勢は僅かに3台。コルトン・ハータの5番手が最上位で、暫定トップのスペンサー・ピゴットや2番手ウィル・パワー、3番手シモン・パジェノー、4番手ジョセフ・ニューガーデンなど、シボレーエンジン勢が上位を独占した。

予選2日目は、午前中にファスト9組とラストロー・シュートアウト組のプラクティス走行が行われ、午後12時15分から1時間に渡ってラストロー・シュートアウトが、午後13時15分から1時間に渡ってファスト9シュートアウトが行われる。

日曜のインディアナポリスは雨が予想されており、セッションが延期される可能性がある。この場合、上位9台の順位は予選1日目のリザルトで確定。ラストシュートアウトは中止とはならず、翌月曜日に開催される予定となっている。

Pos. Driver Time
1 スペンサー・ピゴット
Ed Carpenter
02:36.4655
230.083 mph / 370.283 km/h
2 ウィル・パワー
Team Penske
02:36.4666
230.081 mph / 370.279 km/h
3 シモン・パジェノー
Team Penske
02:36.6210
229.854 mph / 369.914 km/h
4 ジョセフ・ニューガーデン
Team Penske
02:36.6924
229.749 mph / 369.745 km/h
5 コルトン・ハータ
Harding Steinbrenner
02:36.8779
229.478 mph / 369.309 km/h
6 エド・ジョーンズ
Ed Carpenter
02:36.9035
229.44 mph / 369.248 km/h
7 エド・カーペンター
Ed Carpenter
02:36.9658
229.349 mph / 369.101 km/h
8 アレキサンダー・ロッシ
Andretti
02:37.0217
229.268 mph / 368.971 km/h
9 セバスチャン・ブルデー
Dale Coyne
02:37.3427
228.8 mph / 368.218 km/h
10 マルコ・アンドレッティ
Andretti
02:37.3729
228.756 mph / 368.147 km/h
11 コナー・デイリー
Andretti
02:37.4688
228.617 mph / 367.923 km/h
12 エリオ・カストロネベス
Team Penske
02:37.5337
228.523 mph / 367.772 km/h
13 マーカス・エリクソン
Schmidt Peterson
02:37.5415
228.511 mph / 367.753 km/h
14 佐藤琢磨
Rahal
02:37.6874
228.3 mph / 367.413 km/h
15 ジェームス・デイビソン
Dale Coyne
02:37.7057
228.273 mph / 367.37 km/h
16 トニー・カナーン
AJ Foyt
02:37.8116
228.12 mph / 367.124 km/h
17 グラハム・レイホール
Rahal
02:37.8226
228.104 mph / 367.098 km/h
18 スコット・ディクソン
Chip Ganassi
02:37.8256
228.1 mph / 367.091 km/h
19 オリオール・セルビア
MotoGator Stange (SPM)
02:37.9009
227.991 mph / 366.916 km/h
20 チャーリー・キンボール
Carlin
02:37.9535
227.915 mph / 366.794 km/h
21 JR.ヒルデブランド
Dreyer & Reinbold
02:37.9584
227.908 mph / 366.782 km/h
22 ライアン・ハンター=レイ
Andretti
02:37.9799
227.877 mph / 366.732 km/h
23 サンティノ・フェルッチ
Dale Coyne
02:38.0815
227.731 mph / 366.498 km/h
24 マテウス・レイスト
AJ Foyt
02:38.0911
227.717 mph / 366.475 km/h
25 ジャック・ハーベイ
Meyer Shank (SPM)
02:38.1063
227.695 mph / 366.44 km/h
26 ジョーダン・キング
Ed Carpenter
02:38.2402
227.502 mph / 366.129 km/h
27 ベン・ハンリー
DragonSpeed
02:38.2542
227.482 mph / 366.097 km/h
28 ザック・ビーチ
Andretti
02:38.3523
227.341 mph / 365.87 km/h
29 フェリックス・ローゼンクビスト
Chip Ganassi
02:38.3834
227.297 mph / 365.799 km/h
30 ピッパ・マン
Clauson Marshall
02:38.4203
227.244 mph / 365.714 km/h