第103回インディ500の4回目のプラクティス走行が、5月17日(金)にインディアナポリス・モーター・スピードウェイ（IMS）で行われ、コナー・デイリーが時速231.704マイル（372.891km/h）を記録。2番手にマルコ・アンドレッティが続き、アンドレッティ・オートスポーツの2台がトップを独占した。

「チームとエンジンに最高に満足している」とコナー・デイリー。ホンダエンジンを搭載する25号車の米国人レーサーは「これ以上ない最高の出来だ」と続け、明日の予選に向けて手応えを得ている事を伺わせた。

3番手はレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングの佐藤琢磨。トウありの総合チャートで230.755mphを記録し、先日の2番手に続いてトップ3に名を刻んだが、前走車のスリップストリーム無しのスピードでは16番手であった。

「意図的ではないにしろ、今日は多くのマシンが大きなトウを得てかなりスピードを上げていました」と佐藤琢磨。「重要なのはトウなしのスピードの方ですが、現時点においては僕の場合、特筆すべきような速さではありません」

「ファスト・フライデー」と呼ばれる予選先日の金曜プラクティスではターボ圧がブースト。約50馬力に相当する1,000ミリバールの追加使用が認められた。強力なスリップストリームと合わさって12番手のトニー・カナーン（AJ Foyt）までが230mphの大台に乗せた。

トウ無しでトップに立ったのはエド・カーペンター・レーシングの2台。先日に続いて一歩先行した速さをみせつけ、これにアンドレッティ・オートスポーツのアレキサンダー・ロッシが肉薄。チーム・ペンスキーのウィル・パワーとシモン・パジェノーが続いている。

確かに、佐藤琢磨は16番手だが、チームメイトのグラハム・レイホールは6番手。乗り越えるべき課題はあれど、決して悲観的な状況ではない。4日目のこの日は路面温度が上昇。これがRLL Racingのマシンのパフォーマンスを阻害した。

「明日どれくらいやれるか分かりませんが、今夜は3台のクルマのデータを分析して、明日に向けて準備を整える必要があります」と佐藤琢磨。「路面温度が43℃を超えるとかなりトリッキーな状況です。ダウンフォースを上げてバランスを向上させなければなりません」

「予選では4周に渡ってタイヤをどのように管理するかが重要となりますが、上手くやれるはずだと考えています。とは言え、コンディションが変化し続けているので、自分たちがどういう位置につけているのかを判断するのは難しいです」

佐藤琢磨は、18日土曜の予選1日目の1回目のアテンプトを”正午”あたりに行う見通しだ。

「路面温度が50℃を超えていた正午あたりのクルマの挙動は漠然としていましたが、その時の僕らは誰にも先行を許していませんでした」

初日に電気系統のトラブル、2日目にクラッシュ、3日は走行すら叶わなかったマクラーレンのフェルナンド・アロンソは36台中24番手。トウなしのチャートでは30番手と、依然としてトリプルクラウンに向けて厳しい状況を強いられている。

「クルマをコース上で走らせる事ができたし、様々なセットアップを試してコースと路面について少し学べたから、僕らにとってはポジティブな一日だったよ」とアロンソ。「速度アップした今日は、レース用のセットアップ作業よりも予選に向けた準備に集中的に取り組んだ」

「新品タイヤを何セットも使って大量に走り込めたし、ここで集めたデータが予選に向けて役立ってくれる事を祈っている」

この日は、フンコス・レーシングのカイル・カイザーがターン3でエアボーンクラッシュ。2017年のインディライツ王者は幸いにも無傷であったが、チームはスポンサー契約の喪失により財政難。予選に向けてクルマを準備できるか不安視される。

18日土曜は現地8時から9時半までプラクティス5が行われた後、午前11時から午後17時50分にかけて予選が行われる。