インディカー第12戦ハーベストGP Race1 決勝:ニューガーデンがタイトルの望み繋ぐ今季3勝目、佐藤琢磨「レース2で巻き返す」
2020年NTTインディカー・シリーズ第12戦ハーベストGP(Harvest GP presented by GMR Race 1)のレース1が、米国インディアナ州現地10月2日にインディアナポリス・モーター・スピードウェイ(IMS)で行われ、チーム・ペンスキーのジョセフ・ニューガーデンが今季3勝目、キャリア通算17勝目を挙げた。
ディフェンディング・チャンピオンは第1スティントを22周まで引っ張る事でリーナス・ヴィーケイを抜き去り2番手に浮上。終盤に差し掛かろうかという60周目に、コルトン・ハータ(アンドレッティ・オートスポーツ)がブレーキングミスを喫した事でトップに躍り出ると、その後は危なげもなく隊列を率いてトップチェッカーを受けた。
チャンピオンシップで首位につけるスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)は予選12番手からスタート。最終盤に7番手にまでポジションを上げていたが、残り2周でブレーキングミスを喫して、グレアム・レイホール(RLLR)とジャック・ハーヴィー(メイヤーシャンク)にポジションを許し、9位でヘルメットを脱いだ。
この結果、ディクソンとニューガーデンのポイント差は40ポイントにまで縮まり、タイトル争いの行方は次戦以降に持ち越される事となった。レースを終えたディクソンは「今日はブラックタイヤに苦戦してしまった」と語った。
「スタートでグレアム(レイホール)に押し出されてポジションを失った事が後々まで響いた。ブラックタイヤでのスティントでは、トップに15~20秒の差をつけられていたと思う。これもまたレースだけど、あれほど走りが良くなかったのは不可解だから、明日のレース2までに原因を突き止めたい」
コーションフリーのレースを2位でフィニッシュしたのはアレキサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポーツ)。ポールシッターのリーナス・ヴィーケイ(エド・カーペンター)を抑え、IMSのロードコースでキャリアベストを更新した。ヴィーケイにとっては自身初の表彰台獲得となった。
レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングの佐藤琢磨は、予選でスピンを喫して24番グリッドからスタートし、序盤にルーキーのダルトン・ケレット(A.J.フォイト)にポジションを許して一時は25番手最下位に転落した。
起死回生の2ストップ戦略に光明を見いだせないと判断すると、レース途中で3ストッパーにチェンジ。タイムロスと合わせて、予選でレッドタイヤを1セット潰してしまった事で、不利なブラックタイヤでの2スティントを強いられる事となり、終盤には印象的なペースを発揮したものの、1ラップダウンの18位という結果に終わった。
レースを振り返った佐藤琢磨は「厳しい一日になってしまいました」と切り出した。
「後方からのスタートだったので2ストップを採用することにしたのですが、計算上では燃料が7・8周分足らなかったので、フルコースコーションに期待していました。ですがイエローが出ない状況が続いたため、途中で3ストップ作戦に切り替える事となり、大幅にタイムをロスする形になってしまいました」
「順位を巻き返していくために、セッティングとしてはアグレッシブにダウンフォースを減らしていたのですが、クルマをコントロールするのが非常に難しく、予選でレッドタイヤを1セット失っていたことも痛手となりました」
「全体的にタフなレースになってしまいましたが、明日の予選と決勝に向けてデータを集める事ができたのは前向きな材料です。明日は予選でトップ10に入る必要があります。2レース目という事で、全車がパフォーマンスレベルを上げ、フィールド全体がより拮抗することになると思いますが、僕らは今日以上に高い競争力を発揮できると思います」
惨事には至らなかったものの残り6周では、12番手を走行していたマルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポーツ)のリアに炎が上がる場面があった。
2020年シーズンも残り後2戦。IMSロードでのレース2はレース1より10周少ない75周で争われる。予選が現地10月3日午前に行われた後、アメリカ東部時間14時30分に決勝のグリーンフラッグが振られる。
ハーベストGP Race1 決勝順位結果
Pos. | Start | Driver | Gap |
---|---|---|---|
1 | 2 | ジョセフ・ニューガーデン Team Penske |
–.—- |
2 | 8 | アレキサンダー・ロッシ Andretti |
14.2940 |
3 | 1 | リーナス・ヴィーケイ Ed Carpenter |
15.0377 |
4 | 3 | コルトン・ハータ Andretti |
17.3950 |
5 | 7 | フェリックス・ローゼンクビスト Chip Ganassi |
18.4580 |
6 | 4 | ウィル・パワー Team Penske |
26.1379 |
7 | 11 | グレアム・レイホール RLL Racing |
27.3767 |
8 | 6 | ジャック・ハーベイ Meyer Shank |
28.5311 |
9 | 12 | スコット・ディクソン Chip Ganassi |
30.7960 |
10 | 15 | マーカス・エリクソン Chip Ganassi |
36.9727 |
11 | 9 | マックス・チルトン Carlin |
47.5513 |
12 | 14 | コナー・デイリー Ed Carpenter |
56.9548 |
13 | 23 | チャーリー・キンボール A.J. Foyt |
1:10.8969 |
14 | 18 | ジェームズ・ヒンチクリフ Andretti |
1:11.9901 |
15 | 20 | サンティノ・フェルッチ Dale Coyne |
1 lap |
16 | 22 | シモン・パジェノー Team Penske |
1 lap |
17 | 17 | アレックス・パロウ Dale Coyne |
1 lap |
18 | 24 | 佐藤琢磨 RLL Racing |
1 lap |
19 | 13 | ライアン・ハンター=レイ Andretti |
1 lap |
20 | 19 | エリオ・カストロネベス McLaren SP |
1 lap |
21 | 16 | セバスチャン・ブルデー A.J. Foyt |
1 lap |
22 | 10 | パトリシオ・オワード McLaren SP |
1 lap |
23 | 21 | セージ・カラム Dreyer & Reinbold |
1 lap |
24 | 25 | ダルトン・ケレット A.J. Foyt |
2 lap |
25 | 5 | マルコ・アンドレッティ Andretti |
6 lap |
2020年のインディカー・シリーズは、例年通りCS放送のGAORA SPORTSで生放送される。視聴には「スカパー!」の他、ケーブルテレビの「J:COM」や光回線を使った「ひかりTV」「auひかり」なら、面倒なアンテナ設置なしでインディカーを楽しむ事もできる。