決意3年目のF1…角田裕毅は「人としてプロスポーツマンとして成長」ジャーナリスト達の評価、その背景
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開幕8戦を終えて角田裕毅(アルファタウリ)はドライバーズ・ランキング17位と下位に沈んでいるが、人として、プロスポーツマンとして成長した等と、欧州のジャーナリストからの評価はこれまで以上に高い。
カナダまでの3シーズン目のF1で角田裕毅がポイントフィニッシュしたのは、第3戦オーストラリアと第4戦アゼルバイジャンの2回のみで、獲得ポイントは僅か2点に留まっている。
これは同じ時期に入賞3回で11ポイントを稼いだ昨年はもとより、同じく3回の入賞を果たして9ポイントを手にしたデビューイヤーよりも悪い成績だ。
だがリザルトには表れないものの、カナダを除く7戦全てで10位を争うなど、過去2年にはなかった非常に高いレベルの一貫性を発揮しているだけでなく、セッション後のインタビューでも明らかに落ち着き払ったベテランの顔を覗かせ、成熟した様子を見せている。
カナダGPを経て収録された「F1 Nation Podcast」の中で、ジャーナリストで司会のトム・クラークソンは「私はツノダ・ユーキの大ファンなんだ。彼は優れたレーシングドライバーに成長しつつあると考えている。それにキャラクターも良い」と今季の角田裕毅を評価した。
「ただそれだけでなく、今年のユーキは決意に溢れているように感じる。冬の間にリセットしたように思う」
ピエール・ガスリーがアルピーヌに移籍した事で角田裕毅は今年、グリッドで最も仲の良かった”真の友人”を失い、代わって幅広い経験を持つ年上の新人、ニック・デ・フリースをチームメイトに持つこととなった。
「ピエール・ガスリーの存在によって注意散漫になっていたのであれば別だが、ユーキは今年、プロスポーツマンとして成長したような気がする」とクラークソンは続ける。
「自分に幾つかの目標を課したようだし、今やただ単にF1にいる事だけに満足しているのではなく、F1で何かを成し遂げたいと思っているし、人としても、レーシングドライバーとしても成長したと思う」
著しい成長の背景、理由は何処にあるのか? 仏「L’Equipe」に寄稿するフレッド・フェレは、頼れるチームの絶対的エース、ガスリーの離脱を指摘する。
「ご存知のようにチーム代表のフランツ・トストはピエールと本当に親しかった。彼は常にベンチマークとなる存在をチームに求めてきた。技術面のフィードバック・ドライバーとして彼を使ってきた」
「その役割は今年、ユーキが担う事となった。だからユーキはもう気を抜くことはできない」
「リードしなければならないというプレッシャー、そしてフランツの信頼を背負っている以上、他のことにかまけている時間はあまりないと想像できる」