1965年にホンダがF1初優勝を飾った際の「Honda RA272」をイメージしてデザインされた2021年F1トルコGP仕様のレッドブル・ホンダRB16Bのフロントノーズとウイング
Courtesy Of Red Bull Content Pool

鈴鹿のために何か特別な事を…レッドブルの発案から始まったホンダ仕様のホワイトカラーRB16B

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今季のF1日本GPはコロナ渦の影響で開催中止を余儀なくされた。だが、その代替戦となる10月8~10日のトルコGPでレッドブルは、鈴鹿サーキットで日本のファンに披露を予定していたホンダ仕様のホワイトカラーRB16Bを持ち込む。

ノーズに配された赤字に白抜きのカーナンバー、日の丸風の造形が象徴するように、これはホンダが第1期F1活動においてリッチー・ギンサーと共にメキシコGPでF1初勝利を飾ったRA272をイメージしたものだ。

ホンダRA272とレッドブルRB11、栃木県のホンダテストコースにてCourtesy Of Red Bull Content Pool

ホンダRA272とレッドブルRB11、栃木県のホンダテストコースにて

ホンダRA272をイメージしたレッドブル・ホンダRB16B フロント側Courtesy Of Red Bull Content Pool

ホンダRA272をイメージしたレッドブル・ホンダRB16B フロント側

1965年にホンダがF1初優勝を飾った際の「Honda RA272」をイメージしてデザインされた2021年F1トルコGP仕様のレッドブル・ホンダRB16Bの全景 (1)Courtesy Of Red Bull Content Pool

1965年にホンダがF1初優勝を飾った際の「Honda RA272」をイメージしてデザインされた2021年F1トルコGP仕様のレッドブル・ホンダRB16Bの全景 (1)

エナジードリンクとしての”Red Bull”のプロモーションを担う英国ミルトンキーンズのチームは2005年のF1初参戦以来、一貫して紺、赤、黄のカラースキームをマシンに採用してきた。ワンオフカラーのマシンを投じるのは異例中の異例。この企画はどのような経緯で実現したのだろうか?

ホンダF1の山本雅史マネージング・ディレクターは公式サイトのインタビューの中で、レッドブルの発案から始まったプロジェクトだと述べ、その経緯を説明した。

「鈴鹿のために何か特別なことをしようと、Red BullからHondaに持ち掛けてくれました。そこで、Honda初のF1優勝マシンであるRA272をインスパイアした、特別カラーのレーシングスーツというアイデアが出てきました」

「過去にHondaドライバー向けに白地に赤いラインの入ったレーシングスーツを制作したことがあり、ジェンソン・バトンがHonda Racing THANKS DAYで着てくれました。それもあって、当初は鈴鹿で特別なスーツを用意するアイデアだったんです」

「議論を重ねる中で『マシンのカラーリングも変えてはどうだろう?』と提案しました。RA271をモチーフに、デザインは一緒に考えました。Red Bullがベースのデザインを作ってくれて、僕らからは日の丸をイメージした赤丸を入れられないかなど、細かい部分を提示していきました」

マシンの競争力も高くチャンピオンシップ争いをしているだけに、日本GPの中止は「本当に残念」とする山本MDだが「Hondaとしては、Red Bullと一緒にこういう取り組みができたことが本当にうれしいですね。実現に向けて尽力してくれたRed Bullには本当に感謝しています」とパートナーへの謝辞を口にした。

ファンの間でも既に好評を得ているホワイト仕様のRB16B。ホンダF1の現場統括責任者を務める田辺豊治テクニカル・ディレクターも気に入っているようで「ホンダのヒストリカルな白を現行マシンで目にする事が出来て素晴らしいと思います。私は好きです」と語っている。

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