長谷川祐介copyright formula1.com

【注意:FIA誤発信】ホンダF1、全てを自社製造する”フルワークス”でのF1参戦の可能性に言及

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以下の記事はFIA国際自動車連盟のリリースを元に執筆したものであるが、FIAは会見での長谷川氏の発言を180度取り違える誤表記をしていたようで、訂正が入る事態となった。ニュアンスの違いではなく、正反対の内容が全世界に発信されていた。

長谷川氏が実際に発言したのは「ホンダは、現時点ではフルワークス体制でのF1参戦の構想を持ち合わせていない」との内容であったが、FIAはこれを「持ち合わせている」との内容でリリースを発表していた。

FIA公式リリースに誤表記、ホンダF1長谷川氏の発言を180度取り違える「ワークス構想はない」

記録として、当時の記事内容をそのまま残しておくが、以下の本記事の内容は意味をなさない事を予めご了承いただきたい。ただし、長谷川氏は将来的にその可能性がないとは言い切れないとも語っており、現時点でこそフルワークス体制での参戦プランはないものの、可能性としてはこれを否定していない。


ホンダR&DのF1プロジェクト総責任者を務める長谷川祐介は、ホンダが将来的にF1へフル参戦する可能性がある事を明らかにした。長谷川によれば、フルワークス体制でのフォーミュラ1参戦の構想は、これまでにも議論されているという。

ホンダは、2015年より英国の名門チーム”マクラーレン”にパワーユニット一式を供給するという形でF1に参戦している。これは、所謂エンジンサプライヤーとしての関与であり、自らのチームを所有しての参戦ではない。

7月7日(金)に行われた第9戦F1オーストリアGPの金曜記者会見で、”100%ホンダ”としてのフルワークス参戦の可能性について質問された長谷川は、「もちろん将来の話ではありますが、チームを所有するという議論はあります。F1ではどのような事も起こり得ます。いずれにしても、そのような構想は持っています」とコメント、ホンダとしてフルワークス体制でF1に参戦する可能性に言及した。

タイトル奪取のための前提条件であるワークス体制

ホンダは、1964年から68年の第一期と2006年から08年の第3期に、エンジン以外のシャシーを含めた全てを自社製造する、所謂”フルワークスチーム”としてF1に挑んできた。2017年のF1世界選手権を争っている10チームの内、フルワークス体制を取るのはメルセデス、フェラーリ、ルノーの3チーム。V6ハイブリッドターボエンジン、通称パワーユニットが導入された2014年以降のF1のタイトルを獲得したのはメルセデスのみとなっており、今季のタイトル候補もワークスであるメルセデスとフェラーリの2チームに絞られてきている。

旧来の自然吸気エンジンとは異なり、車体との総合的な関係性・統合性が重要視される昨今のパワーユニットにおいて、年間タイトルを獲得するためには、その両方を相互に開発していく事が必要不可欠であるとの認識が一般化している。ホンダが準フルワークスである”セミワークス体制”でマクラーレンとアライアンスを組んで今のF1に参戦しているのは、以上のような背景があるためだ。

1980年代の名声とは裏腹に、2015年に世界中の期待と注目を集めた”マクラーレン・ホンダ”は、その伝説の名前に相応しい結果を未だ残せていない。信頼性のトラブルが多発するホンダエンジンもさる事ながら、シャシー全般を担当するマクラーレンもまた、メルセデスエンジンを使用していた13年・14年は一度も優勝しておらず、その資質と運営体制に疑問を呈する声もある。

ホンダがフルワークス参戦する場合のシナリオ

イチからチームを作り上げる可能性は皆無に等しい。最高峰のモータースポーツであるF1で勝利するためには、長年に渡って蓄積されたノウハウが必須条件となる。ホンダがフルワークスでF1に挑戦する決断を下した場合、唯一のオプションは既存チームの買収である。

ホンダは、タイトルの獲得が目標であると公言しており、あらゆる選択肢は「その決断によってチャンピオンシップを制覇できるか」という尺度によって判断される事になる。買収以外の手段にタイトル獲得の可能性はない。

今年春に発表された2017年3月期の連結決算で、ホンダは連結純利益6,165億円を計上、海外生産8割超えのグローバルメーカーはF1での成績どこそこに、回復から拡大への局面にいる。

本サイトでは以前、ホンダの第3のチームについての予測シナリオを公開したが、当該記事内では記事公開時点で買収の可能性があるのはフォース・インディアであるとの結論に達している。ただし、長谷川の発言を見る限りは、構想こそあれ実現に向けて積極的に動いている状況とは受け取り難い。

とは言え、ここ最近のホンダに対するマクラーレンのネガティブキャンペーンに象徴されるように、マクラーレンと組むことがタイトル獲得に結びつくのかどうかが不透明な情勢であるのも否定し難い。内輪揉めを許容するチーム体制が、果たして世界最高峰の戦いを制すること等できるだろうか?

長谷川は「なんでも起こり得る」と語り、ホンダとしてチーム株式を100%取得する体制でのF1参戦を否定しなかった。セミワークスの座に甘んじているマクラーレンへの牽制の意図がなかったとは言い切れないが、F1界に”絶対”という言葉が存在しないのは歴史が証明している。