契約目前…ハータのアルファタウリF1デビュー「合意を見い出した」とレッドブル、最後の砦はスーパーライセンス
レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコによると、スーパーライセンスの取得問題を除き、コルトン・ハータの2023年アルファタウリF1デビューのための土壌は全て整ったようだ。
来季F1転向に向けた若手インディカードライバーにとっての最大の課題は、F1参戦要件のスーパーライセンスだ。ハータは取得に必要な40点のうち32点しか持ち合わせておらず、統括団体の国際自動車連盟(FIA)による免責が必要な状況だ。
だが、それさえ満たされれば、レッドブルはすぐにでも米国カリフォルニア州出身の22歳と契約を結び、ピエール・ガスリーのアルピーヌ移籍を認める手筈を整えているようだ。
ガスリーは既に2023年もアルファタウリに残留する事が発表されているが、フェルナンド・アロンソのアストンマーチン移籍によって空いたシートを埋めるために、アルピーヌが2023年のエステバン・オコンのチームメイトとしてガスリーに白羽の矢を立てている事は公然の秘密だ。
レッドブル系チームのドライバー人事を掌握するヘルムート・マルコはテキサス州オースティンの「スピードシティ放送」とのインタビューの中で、FIAがライセンスを発行しさえすればハータがアルファタウリに加入する事になるのかとの質問に対して次のように答えた。
「驚くべき事だが、すべての利害関係者とチームが合意を”見い出した”」
利害関係者というのは恐らく、コルトン・ハータが所属するアンドレッティ・オートスポーツと、旧車プログラム契約を結ぶマクラーレンの事だろう。コルトン・ハータは今年、ポルトガルのアルガルベ・サーキットで昨季型のマクラーレンMCL36を駆りテストを行っている。
ヘルムート・マルコは現時点ではまだ、FIAからの「明確な答え」を待っている段階だとした上で、1週間後に控える来週末のイタリアGPまでには何らかの決定が下される見通しだと説明した。
「まずは(FIAから)明確な回答を得なければならないが、モンツァまでには…と言っておこう」
「彼はインディカーで7勝を挙げている。これ(インディカーレース)はグランプリレースに匹敵する。だからもし、彼がスーパーライセンスを得られないのであれば、それは残念なことだ」
後任が決定しない以上、レッドブルがガスリーを手放すわけはない。それは確かだ。
逆に言えば、コルトン・ハータのスーパーライセンスが約束されれば、それは即ちガスリーのアルピーヌ移籍を意味する事になるのだろうか。
ヘルムート・マルコはこの点について「もし契約が上手くいけば、当然、それはモンツァでピエールにも起きる」と語った。
なおRaceFansによると、レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表はコルトン・ハータを「米国で際立った才能を発揮してきたアメリカ人」と称し「彼がF1でどのようなパフォーマンスを見せるか、本当に興味深い」と語った。
「米国市場におけるF1人気は高まっている。米国で成功したドライバーを起用するのは非常に興味深い話だ」
「ピエールはアルファタウリの中で良い仕事をしていると思う。だから興味深いオプションがなければ変更したいとは思わない」
インキュベーターとしてのファエンツァのチームに欠員が出た場合、通例であればレッドブルはジュニアチームから有望株を昇格させる。
だが、今年FIA-F2選手権に参戦中の5名のドライバーには、レッドブルのリザーブドライバーを務めるリアム・ローソンも含めて現実的な選択肢は見当たらない。