ガスリー後任検討を進めるレッドブル、噂に口を開いたアルファタウリ候補のコルトン・ハータ
ピエール・ガスリーのアルピーヌ移籍話が現実味を帯び始めた事で注目されるのは、誰がその後任に収まるのかという事だ。既にレッドブルは候補について検討を進めているという。
ガスリー後任検討を認めるマルコ
ドライバー人事を掌握するレッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコはベルギーGPの週末の時点で既に、条件次第でガスリーを現行契約から解放する用意がある事を明らかにしている。
また、2023年のガスリー起用に向けてアルピーヌが既に、早期契約解除の条件面でレッドブルと合意に至ったとも伝えられている。
仮にそれが現実の話となれば、未だ去就が発表されていない角田裕毅と合わせてアルファタウリのシートは2023年に向けて2つともが空く事になる。
ヘルムート・マルコはF1オランダGPの初日を経てドイツの「Sky」とのインタビューの中で、後任について検討を始めている事を明らかにした。
「それについては既に考え始めているが、まだ発表したくはない」
「ジュニアチームの中にスーパーライセンスを所持している者が何人かいるため、リザーブドライバーについては、その中から誰かを採用することになるだろう」
憶測を否定しないコルトン・ハータ
後任については幾つかの名前が挙がっているが、中でも興味深いのはアンドレッティ・オートスポーツからインディカー・シリーズに参戦しているカリフォルニア出身の22歳、コルトン・ハータだろう。
F1参戦要件であるスーパーライセンスの問題があるため現実的にはかなり難しい状況と言えるが、実現すれば2015年のアレキサンダー・ロッシ以来となるアメリカ人F1ドライバーが誕生する。
既にF1マシンのドライブ経験もある。ハータはマクラーレンと旧車テストプログラム契約を結んでおり、今年7月にはアルガルベ・サーキットで2日間のテストに取り組んだ。
ハータ起用の噂は唐突感が否めないものであったが、アルファタウリ移籍の噂について質問されながらも当人が明確に否定しない事から、何らかの話し合いが行われている事が疑われる。
ポートランドとモントレーでのシーズン最終2戦に先立ちハータはAP通信とのインタビューの中で「今、話したい事は何もない。兎に角、この最終2戦に集中したいし、何が起きているのかについてはオフシーズン中に少し落ち着いて考えたいと思ってる」と語った。
「父がマネジメントに関する全てを扱ってくれているんだけど、彼にはその話はしたくないし対処したくない、ただ、シーズンを終えたいんだって伝えてある」
「あまりに多くのことが語られているし、憶測が飛び交っているから、一日中携帯電話の通知が止まらなくてね。兎に角、すべてを既読にして、記事を読むことすらしないんだ」
憶測に終止符を打つための最善の手は否定することだが、ハータはそうしなかった。
なおハータ起用の噂の背景には、レッドブルがアルファタウリを売りに出し、それにマイケル・アンドレッティが関心を示した関係で名前が浮かび上がってきたのではとの憶測もある。
シューマッハやリカルドの可能性は…
アルファタウリの候補に挙げられているもう一人のドライバーは今季末限りでのフェラーリ・アカデミー放出が報じられているミック・シューマッハだが、ヘルムート・マルコは「彼は我々の関心事ではない」と答えた。
「彼はフェラーリのジュニアだ。あるいはそうだったドライバーだ。だからミック・シューマッハを取り上げた事はない」
「我々には独自のプログラム(育成プログラムのレッドブル・ジュニア・チーム)がある。当然、自分達のドライバーの方を選びたいと思っている」
なお、オスカー・ピアストリとの契約によってマクラーレンのシートを失ったダニエル・リカルドに関しては、流石にアルファタウリ(旧トロロッソ)出戻りの憶測も出てこない。
ヘルムート・マルコはクライネ・ツァイトゥング紙とのインタビューの中で「ダニエルがアルファタウリのようなチームに行きたがらないのは間違いない。それに彼はもうジュニアではない」と述べ、かつてのレッドルドライバー再起用の可能性を除外している。