ルイス・ハミルトン、横断事件で異例の再調査…”ロールモデル”を引き合いに
F1第18戦カタールGPのレース中にルイス・ハミルトン(メルセデス)がコースを横断した一件についてFIA(国際自動車連盟)が異例の再調査に着手した。見直しの理由はハミルトンの「ロールモデル」に起因する。
ハミルトンはロサイルでのレース1周目にチームメイトのジョージ・ラッセルと衝突。クルマを降りてピットへと戻る際、セーフティーカー導入中とは言え、マシンが高速で周回している最中のコースを横切った。
これについてはレース後に聴聞会が行われ、スチュワードは既に戒告処分(非ドライビング)と、その半額を執行猶予付きとする罰金50,000ユーロ(約788万円)の裁定を下している。
しかしながらF1の統括団体は1週間を経て、「ロールモデルとしての彼の立場を踏まえFIAは、その行動が若いドライバー達に与えた可能性のある影響について懸念している」として、再調査に着手した事を明らかにした。
FIAは「ロールモデル」、すなわち”模範的立場”について明らかにしておらず、それが「F1ドライバー」なのか「7度のF1ワールドチャンピオン」なのか、それとも別のステータスを意味するのかは不明だ。
1週間前、イタリアのフランチャコールタで行われた世界カート選手権では、接触事故を経てレースに復帰すべく、コース内に立ち入ったジョー・ターニーの右足が他車に轢かれる事故が発生した。レースは赤旗中断となり、ターニーは担架で運ばれ、その後病院に搬送された。
1977年の南アフリカGPでは、炎上するマシンの消火に向かうべく許可なくコースを横断したマーシャルの一人にトム・プライスが約270kmで衝突する事故が発生した。凄惨な事故により2人はこの世を去った。
7度のF1ワールドチャンピオンは第19戦アメリカGPに合わせて、スチュワードとの会談に臨むものと見られる。