昨季以上の結果を残すことがハース「VF-10」の”至上命令”、とギュンター・シュタイナー代表
ハースF1チームの2020年型F1マシン「VF-20」は、原点回帰とも言える赤・黒・白の配色に変更された。チーム代表を務めるギュンター・シュタイナーは「新しいF1マシンの開発を目にするのは何時だって胸が高鳴るものだ」と述べる一方で、昨シーズン以上の結果を残すことが”至上命令”だと強調した。
「我々はVF-20と共に、昨年を上回る結果をもたらさなければならない。それは疑う余地がない」とシュタイナー代表。「昨年から今年にかけて大きな規約変更はないため、我々はクルマへの理解を深める事が出来たし、自分たち自身を見つめ直すチャンスを得ることが出来た。この事は、VF-20の設計に反映させるソリューションやアプリケーションの発見に役立った」
「昨年は決して私が望んでいたような結果とならず明らかな後退だったが、我々はこのような状況から学ぶことが出来た。チーム内の誰もが自分自身と向き合う事を強いられたが、その結果として自分達はまだまだ上手くやれるのだとの理解に至ったのだ」
19日からは、スペインのバルセロナでプレシーズンテストが行われる。ハースはその初日朝にVF-20の実車をお披露目する。
シュタイナー代表は「VF-20のシェイクダウンを楽しみにしている。毎年の事ではあるが、テストではいつも欲が出てしまう。開幕オーストラリアに向けて、できる限り多くの距離を走り込み、高い信頼性とスピードを発揮したいものだ。そうなる事を祈っている」と付け加えた。
チームの創設者、ジーン・ハースは「率直に言って、コンストラクターズ選手権で5位を獲得した2018年のようなシーズンとなる事を祈っている。2019年は耐え難いシーズンだった」と昨年を振り返った。
フェラーリとの密接な技術関係を背景に、新興ハースF1チームは2018年にチーム史上最高位となるコンストラクター5位を獲得。デビューイヤーから印象的な活躍を示し続けてきたが、昨年は成績不振からスポンサー関連のゴシップに見舞われ、選手権9位という最悪の結果に終わった。
とは言えジーン・ハースは「あれは学びのプロセスだったし、こういった事はある特定の段階であらゆるF1チームが経験するものだ」と懐の深さを示しつつ、「私は、チームが昨年の屈辱から得た知見がこのVF-20に投じられ、よりコンペティティブなマシンになったと信じている」と期待感を示した。
また、新しいカラーリングについては「馴染み深いハース・オートメーション(ハースの母体とも言うべき工作機械メーカー)の色に戻って嬉しい。この方が親しみがあるからね」と語った。
ハースは、ギアボックスやサスペンション・コンポーネントなど、規約で許される限りのパーツ類をフェラーリから購入しており、時に「フェラーリのBチーム」と揶揄されることもある。だが実際には、伊ダーララ社と密接に連携しながら、空力をはじめとする主要なパフォーマンス領域の多くを自力開発する必要がある。