ハースF1、ウラルカリとの法的紛争解決…次戦イタリアGPに向け出国へ
暫定的ながらもタイトルスポンサー料の返還を巡るウラルカリ社との法的紛争が解決し、ハースF1チームは無事、次戦イタリアGPに向けてマシンを含む機材をモンツァに輸送することが許可された。
オランダGPの週末に先立ち同国の裁判所に差し押さえ請求が申し立てられたことで、ハースは約900万ドルとされる資金をウラルカリ社に返金しない限り、機材を国外に持ち出すことができない状態に置かれた。
オランダGPの決勝翌日の月曜にウラルカリは声明を通して「利息と手数料を含む全額の支払いを受け取った。またスポンサー契約の定めに基づき、我々に譲渡されるべきレースカーを回収した」と述べた。
「こうしたことからウラルカリはオランダ当局に対し、暫定措置としてハースの資産の差し押さえを解除するよう通知した。ハースはこれらをオランダ国外に持ち出すことが可能となった」
機材の出発が遅れたことに伴うイタリアGPへの影響の程度は不明だ。
ウラルカリは2021年から2022年までハースとタイトルスポンサー契約を締結したが、ロシアのウクライナ侵攻を受け契約は早期に終了した。この時点でウラルカリは、1300万ドルと考えられている2022年シーズン分のスポンサー料金の「大半」をハースに入金済みだった。
スイスの仲裁裁判所は今年6月12日、契約が終了した2022年3月4日以降のスポンサー料をウラルカリに返還するようハースに命じたが、7月とされる支払い期限を過ぎても返還は行わなわれなかった。
差し押さえ請求を受け、オランダGPの開幕を翌日に控えた木曜の夜、執行官がザントフォールトのパドックを訪れ、ハースの資産を評価、明細化した。チーム代表を務める小松礼雄は金曜、「送金には複雑なプロセスが必要」であると説明し、目下、全力でこの問題に取り組んでいると主張した。
差し押さえ請求にもかかわらず、ウラルカリはオランダGPに影響を与えようとはせず、ハースは週末全てのセッションに参加。ニコ・ヒュルケンベルグが11位、ケビン・マグヌッセンが18位でレースをフィニッシュした。
ハースは金曜に第三者口座を経由してロシアへの返金作業を行ったと考えられており、チームオーナーのジーン・ハースはオランダGPの決勝当日に「すべて解決した」としていたが、週末であった関係から、口座への入金が確認されたのは月曜となった。