
グロージャン、”涙”で締め括ったF1復帰走行「感謝、以外に言葉がない」― 5年越しに実現した別れと区切り
ロマン・グロージャンは2025年9月26日、2020年F1バーレーンGPでの大炎上クラッシュ以来、5年ぶりにF1マシンをドライブし、当時から待ち望んでいた一つの“区切り”を得た。最後はメンバーからの拍手を受け、涙を流した。
未完の別れから5年、叶った“再会”
Courtesy Of Haas
自身の子どもたちが2020年F1アブダビGP用にデザインしたヘルメットを手に持つロマン・グロージャン、2025年9月25日ハースVF-23でのTPCプログラムにて
グロージャンは2016年から2020年までハースに所属したが、事故によって最終2戦を欠場。子どもたちが用意していた特別デザインのヘルメットを使用する機会も失った。メルセデスから復帰テストの打診もあったが実現には至らず、今回ハースが実施するTPC(旧型テスト)プログラムに招かれ、イタリア・ムジェロでのF1復帰がようやく実現した。
トヨタの支援の下、ハースは今季初めてTPCプログラムを始動。すでにスーパーフォーミュラ王者の宮田莉朋や坪井翔にF1走行デビューの機会を与えており、さらにチームオーナーのジーン・ハースや代表の小松礼雄自身も、グッドウッドで初めてF1マシンを走らせていた。
9月26日のムジェロは雨模様だったが、グロージャンは現行グランドエフェクト世代のマシン「VF-23」のステアリングを握り、5年ぶりのV6エキゾーストを堪能した。F1シート喪失後に転向したインディカーはローリングスタート方式であるため、停止状態からのスタートは実に5年ぶりだった。
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ガレージから出るロマン・グロージャンのハース「VF-23」、2025年9月26日ムジェロ・サーキットでのハースTPCプログラムにて
「特別な一日だった。ジーン・ハースと小松礼雄が実現してくれたんだ」とグロージャンは振り返る。
「雨の日だったけど、素晴らしかった。最初は少し感覚が鈍っていたけど、すぐに戻ってきた。久しぶりのスタンディングスタートもできた。最後のスタートは2020年のバーレーン以来だったけど、今回はずっと上手くいった」
「本当に感謝してる。2016年のオーストラリアGP(ハースF1のデビュー戦)に携わった仲間とも再会できたし、新世代のマシンをドライブできた。最高だった。本当に感謝してる、それ以外に言葉が見つからない」
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小松礼雄チーム代表と話をするロマン・グロージャン、2025年9月26日ムジェロ・サーキットでのハースTPCプログラムにて
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笑顔で肩を組むロマン・グロージャンとチーム代表の小松礼雄、2025年9月26日ムジェロ・サーキットでのTPCプログラムにて
温かな拍手に「涙が出た」
当日は、かつてのチームメンバーが多数集結し、2010年代初頭のロータス・ルノー時代からグロージャンとタッグを組んできた小松礼雄も再びエンジニアとしてサポートした。さらにフェラーリ代表のフレデリック・バスールもガレージを訪れた。
「最後には泣かされたよ! バイザーを下げたままにしていたんだけど、最後のアウトラップで、フェラーリ、ピレリ、ハースのみんなが集まって、拍手とスタンディングオベーションを送ってくれたんだ」
「2020年のアブダビで期待していた光景だったけど、今日のほうがもっと良かった」
グロージャンはそう語り、感慨を隠さなかった。
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2025年9月26日ムジェロ・サーキットでのハースTPCプログラム (1)
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ガレージ内でデータを確認するロマン・グロージャン、2025年9月26日ムジェロ・サーキットでのハースTPCプログラムにて
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ガレージから出るロマン・グロージャンのハース「VF-23」、2025年9月26日ムジェロ・サーキットでのハースTPCプログラムにて
F1引退後、インディカーやスポーツカーで戦いを続けてきたグロージャンにとって、この一日は単なるテストではなく、“本来あるべきF1キャリアの締めくくり”を意味するものとなった。