
ガスリー急低迷、コラピント3連敗の裏に”アルピーヌ内部管理の綻び”―見過ごされたわずかなズレ
予選平均13.3位から一転、18.7位へと急降下――チームメイトのフランコ・コラピントに対して7勝2敗と圧倒的な予選成績を誇っていたピエール・ガスリーが、イタリアGP以降の3戦で連続完敗を喫した。
結果は19位(イタリア)、19位(アゼルバイジャン)、18位(シンガポール)と、下位争いに沈む苦しい展開。この突然の低迷の裏には、アルピーヌ内部のパーツ管理体制における、ある”綻び”があったという。
フロアを含む空力パーツの不具合が発覚
フランスの専門誌『AUTOhebdo』によると、ガスリーはアメリカGPの週末を前に、フロアを含む空力パーツの不具合がパフォーマンス低下を招いていたと説明した。
「モンツァ以降、マシンの一部、特にフロアが本来の性能を発揮していなかったんだ。おかげで、ここ3戦は本当に厳しかった。問題を特定するのに時間がかかったけど、ようやく突き止めることができた」
フロアは現行グランドエフェクトカーにおける最重要空力パーツであり、車体底面と地面との間を流れる空気を制御してダウンフォースを生み出す。数ミリ単位の誤差でも性能が大きく変化する繊細な領域だ。
修復パーツの品質が基準未達
では、何が問題の本質だったのか。セットアップミスか、製造上の品質不良か。否、修復された一部の空力パーツが設計基準を満たしておらず、クルマ本来の性能を引き出せていなかったという。
修復パーツの品質管理は地味ながら、数ミリ単位の誤差は空力効率と車体パフォーマンスを大きく左右する。各週末の間に修理・修復されるマシンパーツは200にも及ぶとされる。
イギリスの専門メディア『The Race』によるとガスリーは、「毎週、新品のエアロパーツを用意できるわけじゃないし、走れば摩耗するから、週末によっては修理したパーツを使っているんだ」と説明した。
「今回はモンツァ以来、幾つかのパーツを普段通り修理して使っていたんだけど、何かしっくりこない感触が続いていた」
シンガポールGP後、アルピーヌは詳細な解析を実施。フロアを含む複数の空力コンポーネントが設計通りに気流を制御できていなかったことを突き止めた。
対策を講じて臨んだアメリカGPでガスリーは、スプリント予選で13番手、グランプリ予選で14番手を獲得。3戦ぶりにコラピントを上回り、復調の兆しを見せた。
コンストラクターズ選手権最下位からの脱出を目指すアルピーヌにとって、ガスリーの復活は極めて重要だ。残り5戦、チームは28ポイント先行するハースをターゲットに据え、反撃の足がかりを掴もうとしている。