フロントノーズの傷の検査を行うミルトンキーンズのスタッフ

動画「ノーズコーンの物語」傷付き汚れたF1のマシンパーツはどの様に再利用されるのか?

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よくよく考えて見れば不思議なものだが、F1マシンは年間21戦を戦い、時には他車との接触によりクラッシュによって、時にはグラベルの砂利を拾い傷つき汚れてしまうが、グランプリに持ち込まれるマシンは常に美しい。レースで傷つき汚れたマシンパーツはどの様に再利用されるのだろうか?

来季よりホンダエンジンを搭載するレッドブル・レーシングは、チェッカーフラッグを受けてガレージへと戻ってきた2018年型マシン「RB14」のフロントノーズが、次のレースで使われるまでの物語を動画で公開した。

メンテナンスが必要なパーツは、英国ミルトンキーンズにあるレッドブルのファクトリーへと輸送される。まずは目視による傷の検査。大きなキズの確認やこれまでに走行したマイレージのチェック作業が行われる。

フロントノーズのカッティングシートを除去

その後、グラフィックやスポンサーロゴがプリントされたカッティングシートを除去。まっさらな状態にされたパーツは、スウェーデンに本拠地を置くヘキサゴン社のレーザースキャン等を使い、フォルムが歪んでいないかどうか、空力的な検査テストを受ける。

超音波探傷器でマシンパーツの傷を確認するレッドブルの従業員

その後は、超音波探傷器や浸透処理浸透処理による目に見えない傷のチェックを行う。浸透処理浸透処理は毛管現象を利用した傷の確認方法で、蛍光液を用いて細かな傷を浮かび上がらせる。

浸透処理浸透処理中の金具

パーツの損傷検査が終了すると、次は衝撃テスト。再利用する上で強度に問題がないことが確認されると、傷を修復しペイントのための下地処理が行われる。僅かな凹凸が最終仕上がりに大きく影響するため、手が抜けない。塗装工程もファクトリー内で行われる。当然色も厳密に管理されており、カラーコードに従った正確な色を再現する。

F1マシンの塗装風景

プライマー、ベース色の塗装の後はマスキングシートを使って、色を塗り重ねていく。レッドブル・レーシングのマシンは空力的に有利とされるツヤ消し塗装が施される。メンテナンスが完了したパーツはパッキングされ、次のレース開催地に向けて搬送される。

RB14にフロントノーズを取り付けるレッドブルのクルー

2018シーズンは3週連続開催=トリプルヘッダーが行われ、ロジスティクスを理由にチームからの批判を浴びたが、パーツ管理という点でも大きな負担である事は想像に難くない。グランプリとグランプリの間に修理・修復されるマシンパーツは200にも及ぶという。