F1、低速走行防止に向けて新ルール…2024年バーレーンGPより
競技の安全性を更に高め、公平性を保つための一環としてF1は、2024年の開幕バーレーンGPより、予選およびレコノサンス・ラップにおける不必要な低速走行を防止するための新たなルールを導入する。
F1では近年、予選セッション中に、高速で走行する計測ラップ中の車両と、フライング・ラップに向けて低速で走行する車両がニアミスする事態がたびたび発生してきた。
F1を統括する国際自動車連盟(FIA)のレースディレクター、ニールス・ヴィティヒは今週末のバーレーン・インターナショナル・サーキットでの週末を前に、マシン同士の危険な接近を減少させるための新たな試みを明らかにした。
ドライバーはバーレーンでの開幕戦より、インラップとアウトラップを含む予選セッション中、あるいはスプリントまたは決勝レースに向けてピット出口が開放された後のレコノサンス・ラップにおいて、各マーシャリング・セクターおよび、第1・2セーフティーカー・ラインの各々において、少なくとも1回はFIA標準ECU(電子制御ユニット)が設定した制限タイム以内で走行しなければならない。
従来もラップタイムの制限が設けられていたが、これはピットレーン出口から入口までの間を対象としたものだった。新たな規定の導入により、より多くの箇所でドライバーの速度がチェックされる事となり、各車の間で大きな速度差が発生する可能性を更に低減する効果が期待される。
制限タイムを超える速度で走行したドライバー、言い換えると、制限タイムより遅く走行したドライバーは「不必要に低速で走行」したと見なされ、当該セッション後にスチュワードにより調査が行われる事になる。この制限タイムは2回目のフリー走行後にチームおよびドライバーに通達される。
シュートアウトに関する説明はないが、ルールの趣旨を考えると予選と同じように新たな取り締まりが導入されるものと思われる。この場合、制限タイムは1回目のフリー走行後に通達されるものと考えられる。
また、バーレーン・インターナショナル・サーキットにおける特定の状況下において、別途、安全措置が講じられる事となり、高速で接近する車両がある場合、ドライバーはターン3~4、ターン10~11、およびターン13~14の間でレーシングラインから外れて走行しなければならないとのガイダンスが設けられた。