フェラーリ、依然苦戦?それても改善?内部での現状認識に大きな隔たり / F1フランスGP《決勝》
2019年F1第8戦フランスGP決勝レースに挑んだスクーデリア・フェラーリは、シャルル・ルクレールが3位表彰台を獲得。セバスチャン・ベッテルは5位入賞を果たし、ファステストラップを記録してエキストラポイントを得た。
ルクレールはメルセデスを脅かすまでには至らなかったものの、2位バルテリ・ボッタスから0.929秒差でチェッカーフラッグを受けた。予選で突如失速し、7番グリッドからスタートしたベッテルは、滞りなくマクラーレンを料理し、他車よりも1回ピットストップが多いながらも、4位マックス・フェルスタッペンに27.891秒差でフィニッシュラインを駆け抜けた。
ひとり異次元にいたルイス・ハミルトンを除外すれば、ポール・リカールでの跳馬の相対パフォーマンスは可もなく不可もなくといったところだが、開発の進捗に対するベッテルの現状認識が総じて厳しいのとは対照的に、マッティア・ビノット代表のそれはやや楽観的と、両者の間に認識の相違が見られるのがやや気がかりだ。
「スペインGP後の開発によってメルセデスとのギャップは縮まってきており、方向性が正しい事が証明されている。機能しなかったものもあるが、今回投じたアップデートの幾つかは非常に有益だし、今後大幅に改善する可能性がある」(ビノット代表)
フェラーリ:F1フランスGP決勝
セバスチャン・ベッテル決勝: 5位, グリッド: 7番手
スタートライトのブラックアウトが若干驚きで少し混乱したことを除けば、かなり孤独なレースだったけど、ノリスとカルロスのマクラーレン勢とのバトルは楽しかった。
シャルルやマックスとのギャップを縮めることができたから、最初のスティントは上出来だったけど、第2スティントでは幾つかバランスに問題が出てしまい、フィーリングが悪化してしまった。それでも、シャルルとマックスとかなり似通ったペースで走れていた。今日は5位よりも上の結果は難しかったと思う。
ファステストラップを記録してボーナスポイントを取ったけど、アップグレードは期待通りに機能しなかったし、金曜日は本当に苦戦していたから、その原因を調べなきゃならない。メルセデスに打ち勝てるだけのペースはないし、クルマにはまだ十分な速さがあるとは言えない。
それでも、マラネロの皆が良い意味で重圧を抱えながら情熱を持って仕事に取り組んでくれている事は分かってる。
シャルル・ルクレール決勝: 3位, グリッド: 3番手
全体として、今週末は良かったと思う。例えバルテリに真っ向勝負を挑めるチャンスがなかったとは言え、レース終盤に2番手をかけてバトルできたし、何とかクルマのポテンシャルを最大限に引き出せたから満足してる。
ここ数戦はボチボチなレースが続いていたけど、今週末は最初のセッションから決勝に至るまでスムーズだったし、レースではピットストップのタイミングと第2スティントでのタイヤマネジメントを含めて戦略を完璧に遂行する事が出来た。努力は必ず報われると信じてるけど、今週末はその信念が証明されたんだと思う。これから僕らはオーストリアに直行する。この勢いを次につなげたい。
53周で争われた決勝レースでは、メルセデスのルイス・ハミルトンがポール・トゥ・ウイン。2位はチームメイトのバルテリ・ボッタス。3位表彰台にはフェラーリのシャルル・ルクレールが滑り込んだ。