フォーミュラEマシン対チーターの最速対決
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《動画》新感覚…フォーミュラEマシン vs 地上最速動物チーター!速いのはどっちだ?

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地上最速の陸上動物であるチーターとフォーミュラEマシンはどちらが速いのか?モータースポーツ界を二分する長年の論争に終止符を打つべく、フォーミュラEの創立者兼CEOのアレハンドロ・アガグは、新興チーム・テチータのドライバーを務めるジャン・エリック・ベルニュに電話をかけた。

ベルニュが呼び出されたのは、南アフリカ共和国・ケープタウンから遠くはなれた荒野の中の滑走路。用意されたのは、2014/15シーズンに使われたスパーク・ルノーSRT_01E、スタートから僅か3秒で時速100kmに達する驚異的な加速力を持つ。元F1ドライバーを迎え撃つのは毛並み美しい一匹のチーター。

世界最速の脚を持つとは言え、相手はモーターで走る電動フォーミュラカー。エンジン車と異なりEVカーは発進時から最大トルクを発揮するため驚異の瞬発力を持つ。果たしてチーターはこれに食らいつく事ができるのだろうか?

スタート位置につくチーターとフォーミュラEマシン

スタートするなり先行したのはなんとチーターの方だった。圧倒的な出足で総重量888kgのベルニュとフォーミュラEマシンを文字通り置き去りにした。1965年の報告では時速104kmで走るチーターが確認されており、0-100km/hはフォーミュラEとほぼ互角の3秒という俊足の持ち主。ルノーSRT_01Eの最高速は225km/h、無論途中でベルニュに前を譲るわけだが、その加速たるや圧巻の速さであった。

古代アッシリアやエジプト、そしてヨーロッパなどでは、飼い慣らしたチーターを狩猟の相棒にしていたそう。ネコ科という事もあり意外にも人に懐く。戦いを終えたベルニュは、ライバルの健闘を讃えた。チーターは今や絶滅危惧種に指定されているそうで、世界で7000頭しか存在しないという。

チーターの頭を撫でるジャン・エリック・ベルニュ

「F1マシン vs 戦闘機」等のテクノロジー最速対決はこれまでに多く行われているが、動物とフォーミュラカーのバトルは聞いたことがない。動力源が電気モーターのフォーミュラEマシンは、無音・無臭。爆音奏でるF1マシンではこの歴史的な対戦は実現しなかっただろう。フォーミュラEはこの特性をフルに活かし、常設サーキットではなく一般道を主戦場にしている。

一見、一匹のチーターが勇猛果敢にフォーミュラEマシンに挑んでいるかに見える動画だが、疲労や健康面へのリスクを避けるため実際には3匹が競演。ヨーイドン!の同時スタートを実現させるために、獲物に見せかけたルアーをウインチで引っ張るというカラクリが用いられた。