フォーミュラE、「Gen3」を世界初公開…”モータースポーツの常識を覆す”史上最強マシン
FIAフォーミュラE世界選手権はモナコE-Prixを前にした4月28日(木)、モナコ・ヨットクラブで史上最速、最軽量、かつ最もパワフルで効率的な電気レーシングカー「Gen3」を世界初公開した。
2023年より導入されるこの第3世代のマシンは戦闘機のエアロダイナミクスにインスピレーションを得てデザインされた。最高速度は322km/h、現行Gen2の2倍以上の回生能力を実現する。
FIAとフォーミュラEのエンジニア及びサステナビリティの専門家はGen3の設計に際して高性能、高効率、サステナビリティを追求し「高速のストリートサーキットでのホイール・トゥ・ホイールに特化」したマシンを実現させた。先代より軽量・小型化されており、ホイールベースは2970mmと、先代の3100mmより短い。
フォーミュラカーとしては初めて、フロント(250kW)とリア(350kW)にパワートレインを搭載する。これにより現行Gen2の2倍以上となる合計600kWの回生能力を実現。レースで使用するエネルギーの40%は回生ブレーキによってまかなわれる。回生能力が強化された事でリア油圧ブレーキは搭載されない。
Gen3が搭載するバッテリーセルは再利用が可能で、シャシーには引退するGen2マシンのリサイクル・カーボンが使用される。これによりカーボンフットプリントは10%以上削減される。またタイヤの26%は持続可能な素材で製造され、レース後には完全にリサイクルされる。
Gen3についてフォーミュラEのジェイミー・レイグルCEOは「モータースポーツの常識を覆すもので、性能、効率性、持続可能性のベンチマークだ」と語った。
新型Gen3が投入されるシーズン9にはDSオートモビルズ(フランス)、ジャガー(英国)、マヒンドラ・レーシング(インド)、マセラティ(イタリア)、NIO 333(英国/中国)、日産(日本)、ポルシェ(ドイツ)の7社が参戦する。