FIA、会長の任期制限撤廃を正式可決…立候補条件も厳格化。ベン・スレイエム長期政権への道が開く

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F1を含む各種世界選手権シリーズを統括する国際自動車連盟(FIA)は、2026年6月25日(木)にマカオで開催された臨時総会で、会長職の任期制限を撤廃する規約改正案を可決した。90.71%がこの提案に賛成票を投じた。

モハメド・ベン・スレイエム会長にとっては、選挙で敗れるか、自ら立候補を見送らない限り、12年を超えて会長職を務める道が開かれた格好だ。

ベン・スレイエムは2021年末にFIA会長に就任。2025年末の会長選では、規約上の問題から対立候補が立候補できない事態となり、無投票当選を経て現在2期目を迎えている。

任期制限を撤廃、立候補条件も厳格化

従来のFIA規約では、会長の任期は1期4年、最大3期12年までと定められていた。この上限は、前会長ジャン・トッドの時代にガバナンス強化の一環として導入されたものだった。

今回の改正では、この規定そのものが削除された。FIAは「世界モータースポーツ評議会や上院など、他のFIA機関と任期制度を統一するため」と説明している。

加えて、今回の総会では会長選の立候補条件を厳格化する案も可決された。

新たに候補者には「FIA加盟団体またはFIA機関で十分な経験を有すること」が求められる。また、会長候補が副会長候補リストを提出する期限も、選挙49日前から100日前へと2倍以上延長された。

いずれの変更も、ベン・スレイエムの対抗馬として立候補を目指す者にとって、そのハードルが高まる内容となる。

長期政権化への懸念

今回の決定により、ベン・スレイエムの長期政権化が現実味を帯びることとなった。

もっとも、現行規約には「選挙日に70歳未満でなければならない」という年齢制限が残されているため、この規定が変更されない限り、現時点で4期目への立候補は認められない。

一方で関係筋によれば、ベン・スレイエムは今後、この年齢制限についても撤廃を目指す考えだという。

ベン・スレイエム体制では、これまでも組織運営をめぐる議論が続いてきた。

2025年には、FIAスポーツ担当副会長を務めていたロバート・リードが「ガバナンスの崩壊」を理由に辞任した。また、FIA加盟団体であるモータースポーツUKの会長デビッド・リチャーズも、公開書簡で現体制を批判している。

さらに前回の会長選では、ティム・メイヤーら複数の候補者が副会長候補リストの要件を満たせず出馬できなかったことから、選挙制度そのものにも疑問の声が上がっている。

FIA会長はF1の競技規則や技術規則に大きな影響力を持つ。

ベン・スレイエムは近年、持続可能燃料を前提としたV8エンジンへの回帰を積極的に提唱しており、メーカーの賛同が得られない場合でも2031年からの導入を目指す考えを示している。