
”制度問題”で対抗馬不在…ベン・スレイエムがFIA会長再選、一方で法廷闘争はこれからが本場
国際自動車連盟(FIA)の会長を務めるモハメド・ベン・スレイエムが、2期目となる会長職への再選を果たした。再選は、ウズベキスタンで開催されたFIA総会での投票を経て正式に決定されたが、今回の選挙は事実上の「信任投票」となった。
今年の会長選挙で立候補資格を満たしたのはベン・スレイエムのみだった。当初、ティム・メイヤーとローラ・ヴィラールが立候補を目指していたものの、立候補に際しては副会長リストを提出する必要があり、その要件を満たすことができなかった。
候補者は、世界モータースポーツ評議会(WMSC)の適格者リストにある世界6地域(アフリカ・アジア・ヨーロッパ・中東・北米・南米)のそれぞれから副会長を選ぶ必要がある。しかしながら、南米地域では、資格を満たす唯一の候補であるファビアナ・エクレストンがすでにベン・スレイエム陣営に名を連ねていたため、対抗馬側は必要な体制を構築できなかった。
この問題を巡っては、ヴィラールがフランスで法的措置を起こしている。今月初め、裁判所は選挙の実施自体を認めたものの、来年2月には選挙制度の妥当性について詳細に審理する公判が予定されており、選挙の見直しや無効化の可能性も含めて検討される見通しだ。
一方でFIAは、再選発表と同時に発表された声明を通して、「今回の選挙は、FIAの定款に則り、堅牢かつ透明性の高い投票プロセスを通じて実施された。これは、連盟の民主的基盤と、世界的な加盟組織の集団的意思を反映するものだ」と強調した。
また、ベン・スレイエムは、「多くのFIAメンバーが投票に参加し、再び私に信任を寄せてくれたことに感謝したい。我々は多くの困難を乗り越えてきたが、今日ここに至り、かつてないほど結束は強まっている」と述べ、引き続きモータースポーツとモビリティ分野の発展に尽力する姿勢を示した。
ベン・スレイエム体制の成果としては、FIAの財政再建が挙げられる。新型コロナウイルスの影響で2021年に2400万ユーロの赤字を計上していたFIAは、2024年に470万ユーロの黒字を達成。さらに、2025年についても440万ユーロの利益を見込んでいるという。
また、加盟クラブへの投資拡大や草の根モータースポーツへの支援強化にも注力しており、FIA会長としての2期目は、こうした施策を継続する4年間になる見通しだが、それも年明けに予定される審理の結果次第という状況だ。