FIA、「アクティブ冷却システム」導入試験へ…F1オランダGPより
国際自動車連盟(FIA)はサマーブレイク明けのF1オランダGPより、コックピット内の冷却を目的とした新しい空調システムを試験導入する。比較のために各チームの1台のマシンにのみ搭載されるようだ。
英AUTOSPORTの報道によると、車体に穴を設けてコックピット内に空気を導く標準的な空調ユニットとは異なり、コックピットとその周囲のボディーワークに小さな構造物を配置することで、冷却された空気をドライバーに供給するものになる見通しだという。
ザントフォールト・サーキットを含むシーズン後半戦でのテストが成功した場合、FIAはレギュレーションを変更し、それが必要とされる状況においてのみ、「アクティブ冷却システム」と呼ばれる新しい機能の搭載を義務付けることになる。
この計画の背景にあるのは、ローガン・サージェント(ウィリアムズ)が熱中症でリタイアし、エステバン・オコン(アルピーヌ)がコックピット内で嘔吐、ランス・ストロール(アストンマーチン)が気を失いかけるなどの問題が発生した、猛暑に見舞われた昨年のカタールGPだ。
これを受けFIAは、チームに向けたガイダンスの発行や気候条件に合わせたカレンダーの変更勧告、車体改良などを含む再発防止に向けた対策を講じる方針を発表。2024年のF1技術規定では、ノーズ上部に2番目の冷却用ダクトを設置することが許可された。
7月19日に行われたハンガリーGPのFP1では路面温度が60℃にまで達した。コーナーが多いハンガロリンクは1周を通してドライバーが一息つく暇がなく、カタールGP問題の再燃が懸念される。
FIAは「例外的措置」を認める方針を示しており、パッシブ上部ノーズコーンスクープの使用を含め、コックピット内の温度上昇を防ぐための何らかの措置が強制されるのではと予想されている。