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21年以降のF1エンジン「シンプル・低コスト・魅力的なサウンド」FIA会合で合意、現行エンジン廃止の可能性は?

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3月31日、2021年以降のF1のパワーユニット(エンジン)についての方向性が、フランスで開催されたFIAの会合において議論された。この会合にはFIA、F1の新しいオーナーであるリバティーメディア、現在F1にパワーユニットを供給しているサプライヤー、大手自動車メーカー等、その他独立系メーカーなど、現在のF1への関与の有無に限らず幅広い利害関係者が出席した。

合意された5つのポイント

FIAの公式発表によれば、21年以降のF1、そしてF1エンジンのあるべき姿・方向性として、以下の5項目について会合出席メンバーからの合意が得られたという。

  • F1はモータースポーツの頂点であるべき
  • F1は市販車に適応可能な技術開発の場であるべき
  • 将来のパワーユニットはよりシンプルかつ低コストであるべき
  • 将来のパワーユニットはより魅力的なサウンドを奏でるべき
  • ドライバーが常によりハードに運転可能であるべき

今回の話し合いは、エンジンの具体案を議論するものではなく、大まかな方向性を話し合うことを目的とした場であり、今回の話し合いによって現行エンジンの廃止や継続が決定するものではない

「今回の話し合いの過程にとても満足しています。非常に多くのステークホルダーがいるにも関わらず、(F1の動力源のような)重要な技術分野でF1世界選手権の方向性について同意が得られたことを非常に嬉しく思っています。」議長を務めたFIAのジャン・トッド会長はこのように語り、本会合の成果を強調した。

「もちろん、2021年のパワー・ユニットがどうあるべきかを詳細に決めていくため、これから腰を据えて作業をし続ける必要があります。とは言え、私たちは良い形でこれをスタートさせることができました。F1の将来にとって最善のものを考え出すプロセスを楽しみにしています。」

F1世界選手権では、現在の1.6リッター6気筒ハイブリッド・ターボ・エンジンの使用が2020年まで継続されることになっている。このエンジンは1000馬力近い出力があるとされ、50%に限りなく近い驚異的な熱効率を誇っているとも言われる。と同時に、度々ファンやメディアからそのエンジンサウンドの貧弱さに対しての批判が相次いだり、高価過ぎるエンジン・コストについての問題が取り上げられたりと、決して問題がないわけではない。今回の会合では「これらの問題を解決していきましょう」という基本的な合意形成が行われた形だ。

自然吸気エンジン復活の可能性は?

今回の会合は方向性の合意形成に留まるものであり、21年以降の具体的なエンジン仕様が決定したものではない。そのため現時点ではどのようなエンジンになるかは不明であるが、少なくとも以前のようなV8エンジン、V10エンジンが復活する可能性は極めて低い。

ジャン・トッドは以前、FIAの発行する雑誌”Auto”で「現在の方向性を換えることは難しい」との認識を示し、以前のような自然吸気エンジンに戻る可能性を全面的に否定している。トッドの発言の要点は以下の通り。

  • 多くのマニュファクチャラーは昔のエンジンに戻ること良しとしていない
  • コスト削減の点から安定は必要不可欠
  • 世界的なエコ化の流れに責任を持つ必要がある

現行エンジン廃止の可能性は?

今回の会合での合意内容及び過去のトッドの発言から、21年以降にF1に導入されるエンジンは、1:エコであり、2:シンプルかつ低コストであり、3:魅力的なサウンドを持つことが求められるものと考えられる。

現行エンジンが満たしていないのは2と3であるが、3については徐々に改善されてきており、最も足かせとなるのは2と考えられる。コスト面に関しては、技術が市販車に応用されるについれて少しずつ改善されていく可能性が高いが、”シンプル”にするのは原理的に困難であると言わざるをえない。ただし”シンプル”については如何用にでも解釈できるため、現行エンジンの改訂版が採用される可能性は低くはないものと思われる。