2018年型フェラーリF1マシン「SF71H」でフィオラノ・サーキットを走行するシャルル・ルクレール、2022年1月
Courtesy Of Ferrari S.p.A.

フェラーリF1、ライバルからの妨害か…土壇場でのテスト計画変更

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スクーデリア・フェラーリは2022年シーズンに向けた準備の第一段階として、2021年型「SF21」を使用したフィオラノでの4日間に渡るテストを計画していたものの、土壇場になって変更を余儀なくされた。

日程は3日間へと短縮され、シャルル・ルクレールとカルロス・サインツ、ロバート・シュワルツマンが駆るマシンも2018年の「SF71H」へと変更された。まさに出鼻を挫かれた形だった。

これは昨年型のマシンをテストで利用できるとの合意内容が未だ、2022年のスポーティング・レギュレーションに反映されていない状況が生み出した混乱だった。

競技規則はこの種のテストでドライブできる車両を2年落ち以前と制限しているが、”グランドエフェクト”が主流となる2022年型は空力コンセプトが従来とは完全に異るため、チームは国際自動車連盟(FIA)との話し合いの中で1年落ちを認める合意に達していた。

ただ、計画変更の直接の引き金を引いたのは、跳馬の競争力向上を懸念するライバルチームとの情報がある。

フェラーリのお膝元、イタリアの「La Gazzetta dello Sport」によると、SF21でのテストを取り止めるようライバルチームがFIAに要請した可能性があると言う。

確かにエアロダイナミクスと言う観点で言えば、昨季型でのテストは大きな意味を持たないかもしれない。だがSF21には2022年型に搭載予定の新型ハイブリッド・システムが先行的に組み込まれている。

伝えられるところによるとライバルチームは、フェラーリが2022年型パワーユニットの開発を視野に入れたSF21でのデータ収集を危惧したと言う。

チームが当初のテスト初日になって計画変更を発表した事から考えると、これが完全に予定外の事態であった事は疑いなく、実際のところは不明ながらも、第三者の横やりがあったという線は合点がいくものだ。

なおE10燃料の導入に合わせて変更された新型ICE(内燃エンジン)の開発は、燃料・オイルサプライヤーのシェルとの共同開発も功を奏し順調に推移していると伝えられている。